残街鎮静 その01
残街鎮静 その01
いざ迷宮へ!
ただし、本来の入り口は偽装都市に配置されている……なので、新しい入り口を本土にも用意してみた。
迷宮とは一種の異空間(の場合もある)。
その特殊性を鑑みれば、まったく別の場所からアクセスできてもおかしくは無い……必要なのはそこに至る通路だけなのだ。
会議室に集めていた面々を連れて、外に設置した洞窟──というガワを設けた入口へ。
……中には何も無く、ただ真っ暗な空間だけが広がっている。
「一種の転移門です。光も通らないため認識できませんが、その部分を越えた先に迷宮がございます……ではタクマさん、どうぞ」
「……あのさ、いきなり言うの止めろよ? 分かるけど、子供たちにやらせるわけにはいかないけどさ」
「分かっているのでしたらお早く」
「……なんか奢れよ」
安全は確保できている……が、それはそれとして暗い場所を通るのはやはり怖い。
そんな心情が子供たちから見受けられたため、まずは 人身御供 タクマ を突入させることに。
「すぐ戻って来れるんだよな?」
「ええ。転送先はランダムではなく、通路のすぐ近くです。そこを潜れば同じ場所に戻れる仕様となっています」
「はいはい、じゃあ行ってくる──起動」
タクマは何やらぶつぶつと言いながら、洞窟の奥へと向かう。
……そして数分もしない内に、また戻ってきた。
「問題無かったぞ。他のヤツとも出くわさなかったし、周りに反応も無かった」
「そういう場所ですので……この世界のワールドクエストにも繋がる、特殊な場所です」
「! お前、そういうのは早く言えよな」
「聞かれませんでしたので……とはいえ、仕様からだいたいは察することができたでしょう? 過去の残影、未知との遭遇。それらを受け継ぎ、何を成すのか……この星の命題とも言えますね」
ある種、攻略が必須なんだとか。
ただし、独りでこなすのはほぼ不可能……一つの分野を極めた人材を大量に備え、すべての残影たちと接する必要があった。
それに…………まあ、前提条件を満たせていない以上、一部がロックされ続けている。
ゼネラリストだけでなく、オンリーワンなスペシャリストも必要となっているのだ。
「それでは、皆さんに攻略をお願いします。二階層まで誰かが到達できれば、最低限の鎮静化は成されるようです。報酬もご用意させていただきますので……どうか、この星をお救いください」
「任せてちょうだい! ……私がやっちゃったことかもしれないし、全力で──」
「ほどほどに、ほどほどに頑張っていくということで! 皆さんも、いいですね?」
『はい!』
ルリが全力を出したらどうなるか、この場のほとんどの面々が理解している。
……自分たちで何とかせねば、特にうちの子供たちが焦燥感に駆られているよ。
──なお、俺の出番は無い。
授かりものである:DIY:はチェックの対象外、鑑定スキルも付与されたモノ……職業も特殊なので、残影が出ないらしいのだ。