残街鎮静 その04
残街鎮静 その04
何気ない日常のため、何も無いお父さんは今日も頑張ります。
……自称とか言わないでほしい、少なくともここの残影の判定的にはそうなんだよ。
「ふー、まずまずの出来だな」
解放されたコンテンツに合わせ、できていくのであろう街並み。
しかしながら、自分でそれに関われない以上は別のアプローチが必要となる。
ゆえに共有、誰かの功績を掠め取って全体に流布するやり方を取った。
だが損だけでは誰も行わなくなるため、俺なりのメリットの提示が必要となる。
「かつての街並みの再現は……できないが、こういう配置だけならできる。だいぶ育ってきたしな」
それは複数の真っ白な家屋、遠目に見れば豆腐とたとえられそうなほど真四角の施設。
内部が刳り抜かれたそれらの入り口に、それぞれ看板を掲げている。
中には看板に書かれた内容に合った設備、そして人形たちが配置されており、コストを支払えば誰でもそこを使うことができる……代行してもらうことも可能だ。
「これを条件付けで解放したコンテンツに合わせて共有する……これ、人形たちってどうなるんだ? 単一というか複数というか、おかしなことにならないか?」
《旦那様のご懸念は、共有されることと推測されます。しかしながら、アイスプルの理と迷宮の新規ルールによって、それらは問題なく運用可能です。人形も神代魔道具により、無制限となっておりますので》
暗躍街で見つけた、増殖の神代魔道具。
人形たちの生産ラインをそこに設けているので、理論上は無限に増やせる……ディストピア感出てるよなぁ。
まあそれはともかく、そこから無限に用意しているという事実があれば、これからどれだけ休人が迷宮に入ろうとも、人形が不足するという事態は無くなるそうだ。
……これ以上は考えてはいけないらしい。
情報処理の一部は『SEBAS』が担うことになるようで、何かしらの問題はあるかもしれないが、そこはまあ大丈夫だろう。
あくまで大勢で迷宮に挑めばの話。
俺はここを大々的に解放するつもりは未だ無いし、仮に運営などが勝手に通路を開いたとしても、何かしらの対策を講じる。
「……そうだな、対策が必要だ。通った場所からしか出れない仕様にしたから、アイスプルの外から来ても外にしか出られないとは思うけど。それはそれとして、何かやっておかないと……何も思いつかないけど」
この辺は勝手な妄想だし、あり得なさで言えば教室に突然テロリストが襲撃してくるという想定ぐらい可能性は低いだろう。
だが、それでもと考えてしまうのがいわゆるロマンチストなのかもしれない。
……もしもの可能性を考え、生産の片手間可能性の低い想定への対策を練るのだった。