メタトギア その02
メタトギア その02
冒険世界にある迷宮『メタトギア』、そこへ直通の次元門を通じてやってきた。
その地を拠点とする、『メカメカ団冒険世界支部』のサブオーナーと言葉を交わす。
「先生、この後のご予定は? 実は、里長が先生にお会いしたいとのことで」
「そうですか。では、ご挨拶をさせていただきましょう」
もともとここには機人族たちの住まう里が存在し、迷宮の一角を安全地帯として確保し探索者たちの支援などを行っている。
探索者からは魔物の魔石や産出した機械の残骸などを受け取り、彼らはそれらを修理して返す……より高く売れるし、便利な機械が手に入るかもと持ちつ持たれつの関係だ。
機人族たちも機械を解析し、学びを得て自分たちに反映させているとのこと。
──なんて会話もあったのだが、今回は割愛させていただこう。
「よし……行きますか」
「本当に……お独りで? なんでしたら、護衛を何人か……」
「問題ありません。こう見えても、自衛できる実力はあるんですよ?」
「…………それは、分かりますけども」
里長とのやり取りを終えた俺は、迷宮内を潜るための装備を着込んでいた。
ほとんどが星具と遺製具、何が待っているか分からないからこそだ。
なお、機械大陸に来ている連中から俺の強さというかしぶとさは聞いているはずのサブオーナーが護衛をと言っているのは、護衛以外のことも任せたいからだな。
わざわざ俺が来てまでやりたいこと、その辺は言わずに来ているのだ。
絶対に何かがある、そう確信しているからこそそれを知りたいわけだな。
「ははっ、後ほどここに戻ってきます。何を得たのかについては、その際にお話しさせていただきましょう」
「! それは、ぜひとも」
機人族の里から魔物が出てくる区画まではやや距離がある。
──がきちんと整備されており、すぐにそちらへ行くことが可能。
「…………それにしても、機械大陸にも動く歩道はありますが……ここにあるものは更に凄いですね」
「電磁跳躍にも似た技術のようですが、単に科学だけというわけではないので、まだ完全に調べられてはいないんですよね。起点と終点、その間に特定の装置を組み込むことで成立するようですが……詳細は解析中です」
「ぜひとも、答えを出してください。支援に関してはお任せを」
そんなことを言いつつ、装置の上に立つ。
すると、体が引っ張られるような感覚と共に少しだけ宙に浮く──すると俺の体は、先ほどまでとは違う場所に運ばれていた。
「なるほど……『SEBAS』」
《術式による転移とは異なりますね。純粋な科学とは言い切れませんが、それらを踏まえたもののように思えます》
「ちなみに今は結界を張ってたけど──」
《素の状態であれば、転移同様の結果になっていたかと》
「……そこはやっぱりダメか」
虚弱ゆえ、きちんと身を保護していなければ外部からの干渉であっさり死んでしまうこの身……だからこそ、どこまで体に影響があるのかを知ることができる。
転移ではないが……電磁跳躍のようなナニカが行われる装置。
これらもまた、迷宮の産物……いったいここに何が眠っているのやら。