メタトギア その06
メタトギア その06
機械の中に(物理的に)入り込み、異常があれば即座に対応。
途中で他の機械に遭遇したものの、バレることなくすれ違うことができた。
「……ただ徘徊し続けるだけだな」
すでに十数度、遭遇しては情報のやり取りが行われている。
一度でも失敗すればやり直し、抜かることなく対処していた。
が、まったく終わりが見えない。
正解が分かっていないのだ──製造ラインの存在自体は知られているものの、誰もそこに辿り着く方法を知らない。
何らかの理由で迷宮が機械を大量に投入した時、それらしきものが見えたという情報のみ……そこに一度放出された機械が戻れるかどうかなど、分かるはずもなかった。
「ルリがそう言ってくれた以上、何かしらの成果はあるはずだ……でも、結果は確定していても過程は分からないんだよなぁ」
これがルリ自身の話なら、それこそ四コマ漫画ぐらいのテンポでサクサク進むだろう。
しかしながら、これはいちおう俺の話……何かしらの試練があると見た。
なお、現状は試練では無いだろう。
経験則上、頭が空白……いや虚無になるぐらいに何も考えられないような地獄、それが付き物だったので。
◆ □ ◆ □ ◆
アレコレ考えはしたが、結論から言えば俺たちはやり遂げた。
百を超える機械との遭遇、そのすべてをどうにか対処した果て──
「ここが……製造ライン!」
これまで様々な『プログレス』や術式、職業能力などによって存在自体は知られていたものの、公式には誰一人辿り着けていない秘密の区画。
その名称通り、区画の端から端まで機械を生み出すための設備で埋め尽くされており、様々な機械をコンベア上で流している。
「……ここの情報はドローンで集めておくとして、だ。俺はいったい、これから何をすればいいんだ?」
《まずはこれらの制御を行う部分にアクセスします。それが機械なのか迷宮なのか、それ以外の何かなのか……それが不明です。慎重に動きましょう》
「迷宮がやってるんじゃないのか?」
《機械自体を迷宮が統制していないのと同じ理屈です。迷宮そのものではなく、迷宮の生み出した存在によって管理されている……といった可能性がございます》
「そういえば……マイが似たことを言ってたことがあったな。非戦闘系のテイマーだと、キャパシティの関係で全部じゃなくて群れの長だけをテイムして、全体を管理してもらっているタイプも居るって」
モフモフと戯れるカフェ、なんて場所を経営している休人が居るんだとか。
カフェに居る魔物すべてをテイムしているわけでは無く、あくまで群れの長のみ。
……長経由でテイムの影響はあるようで、完全な野放しではないらしい。
ともかく、この製造ラインも常時迷宮の制御下にあるか分からないというわけだ。
「ってことはつまり?」
《解析をさせていただきたく》
「……このままゆっくりできるか?」
《このまま居ることは不自然です。この機体は再び外に放出します。旦那様には……どうにかそれまで隠れ潜んでもらいます》
「……ミッション、インポッシボー」
機械を騙し、この場に隠れ留まり続ける。
……いろいろと手段はあるし高難易度ではあるが、まあやるだけやってみよう。