メタトギア その09
メタトギア その09
潜伏から一転、緊急での隠密行動が求められる……なお、『SEBAS』によって大部分のセンサーは、俺を敵対存在として知覚できないものとする。
「……なんとかなったな」
視界に映し出されていた矢印マークに従って、止まっては進むを続けた果て。
そこで待っていたのは製造ラインを有するこの区画の中で、もっとも大きな機械の前。
キーボードやパネルのようなものはそこには置かれておらず、ただ一つ巨大な宝石のようなものが置かれているのみ。
「『プログレス』みたいな……いや、中身は全然違うか。ああでも、何かどこかで観たことがあるような気が…………」
《旦那様、星層監極での出来事かと》
「あそこか……あそこで機械? 機械って言うとたしか…………ああ!」
ヒントで誘導してもらえたこともあり、思い出すことができた。
そう、それはあそこに収容されているある人物が有していた物に似ていたのだ。
「『修羅』か!」
《はい。アトランティス世界出身の彼が持つ拳銃、アレに似た仕様です》
「つまり……これって──」
《直接の繋がりがあるのかは不明ですが、おそらくは》
「……遺失世界の技術が、使われているってことなのか」
そりゃあ未知な物ばかり出てくるよ。
遺失世界はどこも特殊なモノが多く、そのうえでそれに合わせた技術が存在する。
休人全体で行けるようになったムー世界、俺が秘匿しているレムリア世界やパシフィス世界なども同様だ。
そして、アトランティス世界。
収容時に『修羅』に聞いたことがあるのだが、(少なくとも彼が居た時代は)そこは技術が高度に発達した世界とのこと。
彼自身はどちらかと言えば武人寄りの人物だったので、詳細は説明できるほど把握しては居なかった……が、そもそも使っていた銃からして高度な技術の産物だったしな。
「っとと、それは後で考えればいいか。俺はこの後、どうすればいい?」
《宝石部分に御触れください。以降はこちらで対処します》
「了解っと……ペタリ」
《ありがとうございます──それでは》
宝石の内部で何かをしているのだろう。
何度も発光している様子をただ見ているだけの、単純なお仕事……外部の警報がいつの間にか止まっている。
機械も緊急で稼働せず、これまで通り製造ラインに従い生み出されていく。
どうやら上手くいったらしい……あとは、今後の予定を立てるだけ。
《書き換え完了です》
「『SEBAS』、お疲れ様。お陰で何とか突破できそうだ」
《いえ。中枢にアクセスできましたが、どうやらまだ終わりではないようです》
「…………まだあるの?」
いやまあ、ここの機械に手を加えたとしても、ジンリを何とかできるわけでは無い。
もっと難易度の高い、とんでもないことをしないとダメ……というわけだ。