メタトギア その10
メタトギア その10
メタトギア ???区画
遺失世界、アトランティスの機械技術が関わっていた製造ライン。
情報の書き換えは上手くいったようだが、まだ終わりではないらしい。
「──マジかぁ」
そこはただ、歪んでいた。
先には本来壁しかない……にも拘らず、捻じれ渦を巻き異様さを物語っている。
空間、あるいは次元。
ここではない何所かと繋がっているのだろう、ナニカがそこにはあった。
「……これ、アトランティス世界に?」
《間違いないでしょう。しかし、ここを通ればすぐに辿り着く……ということではありません》
「そりゃどうして……って、鍵か」
《厳密に言えば渡航許可でしょうか。遺失世界にはそれらが設けられており、無い場合は正常に移動できません。最悪、どこでもない場所で永劫を彷徨うことに……》
逆に泡沫世界などは、自由に入り込むことができるんだとか。
……アイスプルも似た感じだが、要するにセキュリティへリソースが回ってないのだ。
その点、確立世界などはしっかりしているため次元門での転移を確立している。
遺失世界はその中間、鍵による渡航許可をセキュリティ代わりにしているわけだな。
「となると……鍵を見つけなければならないのか? いや、普通にアトランティス世界に居るだろうし……オートロックで中に鍵を忘れたみたいな感じになってるな」
《そのたとえですと、マンションの何階かも分かっていない形です。また、エレベーターも使えない状態でしょうか》
「詰んでるな……何か無いのか?」
《この場合ですと、やはりどこにあるかを把握できている方。あるいはそこに入ることが許されている方にご協力いただくべきでしょう。旦那様のお知り合いで、それが可能な方と言えば──》
「──『修羅』!」
先んじて話題に出ていたので、その名前はすぐに出てきた。
星敵にして、元アトランティス世界出身の彼の協力さえあれば……って。
「収容されてるよな? 連絡する方法なんて無いし、面会させてくれるわけもない。そもそも俺が会いに行ったら、行くのはそのまま独房だろう」
俺もまた星敵、かつて彼が収容されていた場所に俺も居て、そこから脱獄したという経歴を持つ……すまん子供たち、お父さん脱獄犯なんだよ(知られている)。
《それは旦那様の仰る通りです。なので、司法取引を行います》
「しほうとりひき」
《旦那様に行っていただくことは、簡単ですがとても難しいことです。ですが、成功すれば間違いなくアトランティス世界へ向かうことができます……いかがなさいますか?》
「……ルリのお告げがこれだって言うなら、勝利は確約されているも同然。よし、ならばやってやる!」
と、そんなこんなで何も無い歪みを正式な道にする挑戦が幕を開く。
…………これ、目的のジンリをどうにかするのっていつになるんだ?