メタトギア その11
メタトギア その11
冒険世界 始まりの街
──司法取引。
要は罪を軽くするため、協力すること。
情報提供を行う分、免責させる……内容によっては危険な状態に陥る、なんてのは創作物で良くある話だ。
それを行うと『SEBAS』は言った。
正式な渡航が行えないアトランティス世界へ向かうため、星層監極の囚人『修羅』の協力を得るためである。
「──ダメだ」
「……まだ、何も言っていませんが?」
というわけで、一番に話を付けておかない人の下へ。
最近は俺以外にも(ご迷惑をおかけしている)休人が増え、忙しい『騎士王』様だ。
「その露骨に握り締めた物は?」
「何って、ただの葡萄ジュースですが……」
「……それだけ神力を感じるジュース、というのもおかしな話だ」
神のお酒という言葉はあるが、神のジュースというのはたしかに無いだろう。
しかし美味しい味を子供たちにも楽しんでもらうため、頑張って製造してみました。
ちょっとばかしズルはしたが、味についてはバッチリ。
今回は内容が内容だ、ええい持ってけ渾身の十年物!(時間加速有り)
「それでですね、話というのは──」
「…………続けろ」
「面会をしたくて。あの監極に」
「囚人としてならば、いつでも行くことができるぞ。どうする、脱獄犯?」
建て前として収容され、結果的に本当に星敵となったわけだからな。
また同じように封じてみて、さらに面倒な存在になるのは御免だと放置されている。
「それはまた別の機会に……しかし、どうしましょう。せっかくのチャンスでしたのでぜひ声をと思ったのですが」
「また厄介事か。たしか、メタトギアに行っていたな」
「ええ。そこでアトランティス世界と繋がる歪みを見つけまして……『騎士王』さん?」
「……想定はしていたが最悪だ。よりによって、貴公にそれを見られるとは」
「と、いうことは?」
「ああ、調べているに決まっているだろう。とはいえ、すべてが分かっていたわけではない。せいぜいがアトランティス世界由来の産物であること、それだけだ。無論、やり方次第でどうとでもできるが……」
「価値がある以上、壊すわけにもいかずそのまま機人族たちに維持・管理を任せ、残しておいたわけですか」
冒険世界に害を成すものなら、とっくの昔に『超越者』たちで潰している。
それをしないだけの価値を無限に溢れる機械が証明したからこそ、残されていた。
ただどうやら、歪みまでは辿り着けていなかったらしい。
……それでも、アトランティス世界との関係を知ってなおそのままだった。
やはり一筋縄ではいかないのだろう。
すでに葡萄ジュースを一本、空にしている『騎士王』から話を聞いていく。