メタトギア その13
メタトギア その13
どうやら俺たちが凄い技術の機械だと思っていたものは、アトランティス世界にとっての廃棄物だったらしい。
それが何の因果か迷宮を通じて、こちらに流れ込んでいた。
これまでは放置で良かったが、休人の居る今『騎士王』は考えを改め──
「星よ、権限を使うぞ」
「権限?」
俺の問いには答えず、何やらルーンを編みいろいろと書き記していった。
──それを『SEBAS』に見てもらっていると、脳裏に音が鳴り響く。
ピコーンッ
≪ただいま冒険世界にて、特殊クエスト『これが新世界だ!! 探索者未踏! ■■■■■■■世界に繋がる穴は実在した!』が発令されました。詳細は[クエスト]画面にてご確認ください≫
≪前提クエスト『新世界へと至る道』を受注しました≫
それは休人たちに向けられた通達。
……なんというか、どこかで聞いたことがあるような気がする名前なんだが、どういう理屈なんだろうか。
あとたぶん、伏字はアトランティス世界だと思うが、今は隠してあるようだ。
力を合わせて見つけ出すのも、こういうイベントの楽しみ……なのかな?
「というか、権限とは……私にもできたりしますかね?」
「この世界ではできないだろう。すでに貴公は冒険世界の所属ではない。何より、星渡りの民自身での宣誓はできない」
「…………ふむ」
つまりアイスプルならばできる、と。
つい先日行った身内(+α)での迷宮鎮圧なども、こうして[クエスト]が発行できていたら面白かったかもしれない。
やり方についてはまあ、『SEBAS』が把握してくれるだろうし、必要になれば代行してもらうとしよう。
「内容について教えてもらっても? ……特に後者を」
「ふっ……ああ、『これが新世界だ!! 探索者未踏! ■■■■■■■ アトランティス 世界に繋がる穴は実在した!』は我が命名した。なかなかに良いクエスト名だろう?」
「…………あの、前提の方を──」
「内容については言うまでもないが、貴公が見つけたあの孔に通じる歪みから、アトランティス世界へ向かうことだ。ムー世界の時のように、そこで何を行うのかは星渡りの民に委ねている」
「…………もういいです」
「そうか、引き受けてくれるか! さすがは『生者』だな!」
とても良い笑みを浮かべる『騎士王』……ただし、目は笑っていない。
やるよな? 強制だぞ、という真意をまったく隠さずに物語っている。
「要は道、歪みを通じて孔から外部に出れるようにすれば良いと」
「ああ。多少不安定でも、貴公らであれば問題無かろう。とはいえ、変化が起きる以上はあちらも何かしらの行動があるはずだ。最悪の場合、歪みだけでなく迷宮そのものを破壊するつもりだ」
「……責任重大ですね」
「機人族も、そして迷宮もどうにかなるのだろう? 貴公らが隠すあの場所に……許しだと思い、貢献するよう伝えておけ」
…………そういうことですか。
俺と『メカメカ団』で造った機械大陸、そこにイレギュラー存在マキナが生まれたわけだが、他にも特異な現象は存在する。
簡単に言うと、メタトギアのミニサイズ版があの大陸の中にあるのだ。
──それらを見逃す、というのが報酬の一部に含まれているらしい。