アトランティス世界開放 その04
アトランティス世界開放 その04
様々な思惑が交差した結果、『修羅』との監獄での面会に成功した。
アトランティス世界出身の彼から、どうにかして情報を得なければならない。
「……当時と今とでは異なる部分もあるだろう。それでも良いか?」
「ええ」
事情を説明し、アトランティス世界について教えてもらう。
対価は別途、現状についての情報を送ればいいらしい。
「アトランティスは高度に技術が発展した世界だ。それはこの銃が今となっては旧式であることから、分かってもらえるだろう」
「…………これは、『修羅』さんが世界を出る当時の最新モデルですか?」
「そうだ。肉体のリミッターを外すことができる『限界突破』、それを技術的に再現できる最新……いや、テストモデルだった。科法と魔学、双方の技術の髄が詰め込まれたモノだと自慢された」
アトランティス世界において、存在する技術の二大柱。
それが科法と魔学──魔法みたいな科学と科学みたいな魔法、そんな感じらしい。
「……これについては実際に赴き、現状を把握してほしい。アトランティス世界だが、まず第一に言っておくことがある──彼の世界は多くの者が戸籍を管理されており、常時監視されている」
「…………凄いですね。ええ、それができていない世界も多いというのに」
「科法などは、戸籍が登録されていることが使用の大前提であったからな。廃棄孔から繋がる先であっても、今であれば当時以上の監視網が存在するはずだ」
「つまり、行ったその先ですぐに不法侵入が発覚してしまうと。なるほど、それは厄介な場所ですね」
今の地球も技術の発達でそういう感じなのだが、アトランティス世界も同様なようだ。
ただこちらと違い、更に技術が発達しているためその監視網がかなり厳重らしい。
宙を飛ぶ見えない機械が常に人々を捉え、その情報を照会する。
未登録の者が居ればすぐに通達が入り、捕縛されてしまう。
だが少なくとも、『修羅』の居た時代であればその監視網が無い場所もあったらしい。
……が簡単には上手くいかないようだし、この辺は予めの注意事項としておこう。
「その、戸籍の登録はどのように?」
「それは役所仕事だな。専用の装置を使い、登録を行う。ただ、最低でも出生後一年以内での登録が求められていた。特に科法は登録が早い方が適性の向上も上がることが研究結果として出ていたからな」
「……えっと、つまり私たちのような存在が後から行うのは難しい、と?」
「…………いや、星渡りの民に関する特例事項があったはずだ。古く、形骸化したものではあったが、今も残っているのであれば問題ないはずだ。ただ、それでも選ぶ必要はあるだろうな」
ムー世界でもそうだったが、星渡りの民という概念が遺失世界には残っている。
そのお陰で救済措置はあることが分かったが、まだ問題はあるらしい。
「選ぶ……ですか?」
「そうだ──科法か魔学、どちらかの集団に属する。これがアトランティス世界においてもっとも重要なことだ」
何度も挙がっている二つのワード。
それらはアトランティス世界が誇る、世界に対するアプローチ方法のことだ。