アトランティス世界開放 その07
アトランティス世界開放 その07
イベント世界 機械大陸 メカメカ団本部
俺が情報収集をしている間に、メカメカ団がアトランティス世界へ向かうために用意した設計図を理解し、製造する工程に移行していたらしい。
俺とは違う、空間へのアプローチ。
答えから逆算するのではない、集合知による過程を踏んだ解……望むものを望まれただけ送っていた甲斐があったよ。
「──出来上がったとの報告を受けました」
数日後、完成したという一報を受けた俺はイベント世界を訪れていた。
多くのクランメンバーが見守る中、鎮座するソレを確認しに。
「……デカいですね」
「えっと、先生の設計図通りの大きさだと思うんですけど。こちらでも小型版を造りたいとは思っているんですが、さすがにすぐにとは行きませんね」
「そうでしたか? ……『プログレス』の力でどうにかなりませんかね? ほら、たとえば小さくする光線……みたいな」
「そんな未来の道具じゃないんですから。まあ、あるにはあるんですけど……ただ小さくするだけだと、性能を上手く引き出せないんですよ。あと、小さくなり過ぎます」
凱旋門、それが俺の装置を観た感想。
デカく、そして分厚い……設計図は理論上可能というレベルを基に構築しており、実際に造ったわけでも無かった。
そんなこんなで、どういった物になるのかも想定できなかった装置。
付け加えるとだいたいの形はともかく、彼らなりの創意工夫が籠められている。
「大きさは事前に貰った資料に載っていた、迷宮内の空間に収まるものにしてあります。どうですか、先生!」
「…………」
「な、何か……問題でも?」
「いえ、実地において使うことはできそうですけど…………あのこれ、どのように運搬する予定ですか?」
「もちろん、[インベントリ]に収めて……あっ」
「ええ、気づいていただけましたか。少なくとも、私では運べません」
何でも入れられ、時間まで停まる。
便利過ぎる[インベントリ]なのだが、無制限というわけではない。
基本的に休人のソレは、[ステータス]を参照して仕舞える数が決まっている。
そこにスキルや職業能力、[称号]なども後乗せだが……その辺はさておき。
毎度お馴染みの虚弱体質な俺に、充分な容量などあるわけもなく。
補正や魔道具で補っていて何とかしていたものの、さすがに凱旋門を丸々は無理だ。
「分解可能なので、あちらに行って再構築してもらおうと思ったんですけど……」
「全部収めること自体、無理そうです」
「なら、増員を……」
「それが一番無難ですかね。ただ、安全な移動は保証できかねますが。迷宮によって随時セキュリティが更新されている関係で、すでに私も再度攻撃対象となっているでしょう」
迷宮のリセット機能は、そういう使い方もできたりするのだ。
初期化して再度必要な情報を書き込む、不要な改竄されたデータのみが抹消される。
ある意味、究極の対策だ。
少なくとも『メタトギア』の場合は、一定期間ごとにそうしてリセットしている……残念ながら、ここを弄ることはできなかった。
迷宮の踏破をしていればあるいは、といったところか。
だがメタトギアは産業にも組み込まれている迷宮、それを掌握したとなれば……。
「……護衛を、頼めますか? 少し強引に行きましょう」
そんなこんなで、俺たちは装置を迷宮に運び込むための冒険を始める。
少なくとも『超越者』たちが行けた以上、理論上は行ける…………はずだ。