アトランティス世界開放 その17
アトランティス世界開放 その17
強力な聖水の散布、それより解放された十全なスペックのロジカルシリーズ。
戦闘部隊の代表、ガンヴァリオンの『プログレス』も成長し、異形の触手を退治した。
「いやぁ、おめでとうございます!」
「あんがとよ……とはいえ先生、結局俺たちはアレを倒せなかった」
「退治できただけ充分ですよ。アレが果たして倒すことが本当にできる存在だったのか、今の私たちにはそれすら分からないのですからね」
彼らは退治に成功しても、討伐には成功していなかった。
触手はこの場には居ない、そしておそらくだがアトランティス世界にも居ないだろう。
戦闘部隊の猛攻は、触手に何らかの影響を及ぼす。
結果、出てきた穴──廃棄孔ではない場所に歪みを作り、この世界を去っていった。
元より、異なる世界を渡ることができる存在だったのだろう。
理屈は分からないがそれがアトランティス世界に居て、廃棄孔から冒険世界に来た。
「残念ですが、今の我々には情報があまりありません。彼の存在が何者か、アトランティス世界とどういった関係性を持つのか……それを知るためにも、先へ向かわなければなりません──皆さん、よろしいですか?」
「は、はい……お手数お掛けしました」
「アレはアクシデントですよ。装置についてはすべて無事、取り返すことができます」
「任せてください!」
時間経過、及び発生源の排除によって復活した運搬部隊の面々。
彼らが再び作業を始め、空間の歪みに対して装置を置いて安定化を図っていく。
先ほどのこともあり、戦闘部隊の警戒は徹底している。
……俺は少し離れた、全体を見渡せる場所で独り呟く。
「クエスト内容に変化は無い……もともと考慮されていないイレギュラーな内容だった、ということですかね?」
《あるいは『騎士王』や冒険世界、他の同盟世界も関与していない干渉だった、ということかもしれません》
「そもそも繋がっていないアトランティス世界から来た存在、そういうものですか……これが買い切りのゲームなどであれば、こういうことも無いんでしょうがね」
すべてが定められた予定調和、プレイヤーの選択が運営側に決められているゲームとは違う──リアルタイムで変化するこのEHOだからこそ、筋書きの無い出来事が起きる。
あるいはこれすらも、俺たちの関与していないところで休人の誰かの起こしたナニカの影響なのかもしれない……と考えるのは、さすがに飛躍し過ぎか。
「装置が組み上がり次第、志願者を募り中へ突入。あちら側の調査、及び装置の設置をしなければなりません……これが終われば、とりあえずクエストは達成ですね」
現在行っているのは、一方通行の穴を反対側から通れるようにする作業。
これが終われば反対側へ向かい、孔の存在確立と維持を行う必要がある。
──今行われている作業は、向こう側にも伝わっている可能性が高いからな。