アトランティス世界解放 その01
アトランティス世界解放 その01
強引な報酬選択を経て、[クエスト]は終わった。
イベント世界の機械大陸を通じて、誰もがアトランティス世界へ向かえるように。
「アトランティス世界イベント……今回は前回みたいな映像が無かったらしいぞ」
「……いやお前、ネタバレ」
電車に揺られるいつもの帰宅時間、どうやら仕事中に調べていたタクマからの一言。
イベントの開始は平日、今頃機械大陸は多くの休人で溢れていることだろう。
「まあ、たぶんアレだろう……前回と違って休人に先行公開したい情報が無い、とかそういう感じ。あるいは、もう少し後になってから出るとかじゃないか?」
「有名な連中が実際に行ってからか。ただ、それだと総集編みたいな感じだろう」
「ムーの方はやることを示して、そっちに誘導したかった。でも今回はそうじゃないってことだよ」
俺が把握しているだけでも、少なくとも世界側で推進している所属先が二つ。
だが現状は分かっていないし、あくまで過去の情報。
PVとして情報が開示されれば、休人たちの中にはそれを鵜呑みする者が現れるかもしれない……先入観を与えない、というのも目的なのかもしれない。
「……お前、何か隠しているよな?」
「んー、まあすぐ分かるか。とりあえず、高度に技術が発達した世界ってのは前提として分かるだろう?」
「名前がまんまアトランティスだし……凄い古代文明感はあるな」
「そこから発展したんだろう、魔法に近しい科学と科学に基づいた魔法……みたいなものが存在したらしい」
科法と魔学、お互いのいいところを取り込もうとした結果──混じり合うことなく、出来上がった二つの技術。
休人が彼の世界を訪れたことで、その情報もいづれ開示されることだろう。
……まあ、最初はまったく出てこないんだろうけども。
タクマは俺の言葉を聞き、真っ先に尋ねたこと。
それはそれら二種類の技術ではなく──
「……した、つまり過去形か?」
「情報に鮮度が無いんだよ。でだ、俺とメカメカ団が先行して移動ルートを確立してた時なんだけどな……」
「さらっともう行ったって言いやがったな」
メカメカ団とも口裏を合わせ、情報が外に出ないようにしておいたからな。
……口が軽い連中も、マキナが見てくれていたからバッチリだ。
「機械に襲われたのは……まあ、いいとしてだ。現れたんだよそこに、見たら精神が狂いそうな……チェックとか入りそうな名状し難いヤツが」
「…………アトランティス、あれ系のヤツと関係あったか?」
「いやー、どうだろう。その辺、元ネタ前提だと何を参考にしているか次第なんだよ」
かなりメタな発言だが、よく分からない現状の分析にはどんなものでも必要だ。
……正確な情報が欲しい、現実で俺は鑑定スキルを持ってないんだよ。