アトランティス世界解放 その10
アトランティス世界解放 その10
家族に送ったアイテム『包心帯』。
巻くだけで使えるソレは、精神汚染に対する策として、質を(普及できるレベルに)落とし転送しておいた。
何なら困っている人たちに、使ってもいいと多めに渡してある。
……これ以上が無いと、既に存在する上位互換『魂殻』を隠すための見せ札だ。
《旦那様、受け取りが確認されました》
「よし、受け取ってもらえたな」
家族限定で開発したアイテム贈答装置。
それを用いての『包心帯』移譲、なお一方的な発送しかできなかったりする。
「……となると、またやることが無くなってくるな。【科法師】と【魔学者】の開放はしておきたいけど、場所の解放ってなると面倒なことになりそうだし」
現在、某神話によって侵攻を受けているアトランティス世界。
地上のほぼすべてが乗っ取られ、結果として職業システムを十全に使えなくなった。
……が裏技はある。
最低限、稼働に必要なアトランティス世界のエネルギーを集め、別途用意した職業システムアクセス用のアイテムを使えばいい。
一度登録すれば俺のチート職業【救星者】はその職業を保存、いつでも好きなタイミングで行使可能となるからな。
「……少なくとも廃棄孔の中だと、それができそうな場所は無かったわけなんだが」
《ドローンでの捜索も、芳しくありません。この地で未だに人類が生存しているのも、逆にそのことがプラスに働いている可能性があります》
「例の触手を解析できていれば、何か分かったかもしれないけどな……」
少なくとも現状、あちらの侵攻にはエネルギーが都度必要ということか。
ここに来ていた以上必須ではないんだろうが、それでも時間制限が付く(設定だ)。
たまにあるよな、時間制限があると思わせて実は……みたいなパターン。
敵は逃げ惑う姿が見たくて、わざと縛りを設けて遊んでいるっていう展開。
念には念を、最悪相手方の親玉が来ることすら想定しておくべきだろう。
…………いや俺には対策できないけど、そこまで行けば逆に採れる手もあるからな。
閑話休題 とっこうぎゃくたんち
話を戻そう。
さすがに初手終了の禁じ手は使ってこないにせよ、休人の登場自体はあちら側も把握して何か手を打ってくるはず。
ここで俺に取れる選択肢は二つ──対策が万全となる前に速攻で済ませて帰る、休人たちが上手いこと対応してくれた後でこっそり済ませて帰る。
……俺個人で無双する、というのはそもそもできないしやらない。
相手は上位存在、死んでも死なないならどうにかなるという相手も無いのだ。
「……決めた。『SEBAS』、これからのことだが──」
そして俺は今後の予定を『SEBAS』に伝え、行動に移るのだった。