アトランティス世界解放 その11
アトランティス世界解放 その11
イベント世界 機械大陸
アイテムの発送を終え、再度予定を考え直した。
職業システムの解放、某神話との対立、休人の活躍、それらを踏まえて──
「えっ、先生!?」
「ああ、ド・ライブ君ですか。ただいま戻りました」
「あっ、お帰りなさい……じゃなくて! 先生はてっきり、そのままアトランティス世界でご活躍なさるのかと」
俺に割り振られた屋台の前、仕込み作業を行っていたところにやってきた休人。
ド・ライブ──メカメカ団において、事務方の代表も担っている優秀な操縦士だ。
そう、彼の言う通り俺はイベント世界に帰還している。
考えて考えて……その結果、やっぱりSAN値チェックは嫌だな、ということに。
俺は怪談や恐怖体験は好きではない。
……オカルトの類いとは関わりたくない、少なくともルリが居ない時は。
この世界ならば対応策はいくらでもある。
しかし、手段を以って対抗できることと、関与したいかどうかはまた別なわけで……やりたい連中が居るんだからお譲りしますよ。
「──私が必要となる場所はありませんでしたので。より私が伸び伸びと動ける場所に、こうして戻ってきたわけですね」
「そうですか! 先生の人形のお陰で少し余裕ができていましたが、それでもまだ人手が足りませんでした……先生の助力は、考慮させていただいても?」
「ええ、もちろんですよ。広い場所も用意していただきましたので」
「……マキナが提案しなければ、こんな端の方を先生に割り振ったりしませんでしたよ」
もともと俺の屋台は、多くの休人が通る一等地とも呼べる場所にされるはずだった。
しかしそこは鶴の──いやマキナの一声、彼女が大陸の端の方にデータを改竄する。
俺としてはこちらの方が都合がよかったので、現状維持のままを選んだ。
……まあ、屋台一つだと目立ちそうだし、周辺にはいろいろ屋台を並べてあるけども。
全部担当は人形たち、『SEBAS』が調べてくれた様々な屋台が並んでいる。
おまけ程度ではあるが、まあ楽しんでくれるならそれはそれでいいだろう。
「メカメカ団に所属しているメンバーは割り引き価格にしてくれるますし、本当に先生には頭が下がります」
「いえいえ、ほんの五割引きですし……」
「物凄い好待遇ですからね、これ」
「人形たちはスキルが使えませんので。バフなどには利用できない以上、他の屋台よりはお安いぐらいでちょうどいいんですよ」
ここに用意している人形には、職業も与えないでいる。
いっさいの補正無し、擬似スキルのみでの運用なのでバフは大した効力を持たない。
おまけに材料だって、劣化神代魔道具で増やしたものだしな。
……なお完成品自体を複製しないのは、あくまでお祭りの雰囲気作りだからだ。