アトランティス世界解放 その14
アトランティス世界解放 その14
アトランティス世界
どうやったのか、イベント世界まで連絡用の装置を運び込んでいる『機械皇』。
他の『超越者』にも伏せられていた排気孔の情報を知り、不正入界を目論んでいた。
「……戻ってきてしまった」
『ふむ、ここが……なるほどな』
普段から『プログレス:ハートギア』を借りている手前、『機械皇』の頼みごとを断りづらいという事情がある。
加えて、俺自身の事情を話したところ、あちらの方からある提案をされていた。
──それについては後ほど、今はやるべきことをやっておこう。
『さっそくだが、配置してほしい』
「少し場所を変えますね……」
アトランティス世界に入った直後のやり取り、周囲には当然休人たちも多い。
俺は一先ずこの場を離れ、誰も居ない区画へ向かう。
多くの休人によって、廃棄されていた機械は回収され周辺の整備がされている。
……それでも不要という扱いを受け、捨てられた残骸が並ぶ場所へと。
『……ここは?』
「一般的な休人では、再利用方法が見いだせなかった残骸を捨てておく場所です。それでも誰か、使えるかもしれない。そう考えて置いているようです」
実際、『プログレス』の内容次第ではそういうこともあるだろう。
重要な部品は抜き取られているが、それでも要所要所に金属などは残っている。
ただ、物によっては下手に弄ると爆発したりデータが消滅したり、そういった処理が困難な物も混ざっている……が、今ここに居るのは機械のプロフェッショナル。
「では、配置しますね」
連絡を取り合っていた通信装置、それは同時にアイテムボックスとしても機能した。
一度限りの使い切り、取り出したアイテムは再度仕舞えない仕様。
そんな装置の中から取り出すのは、用意していたらしい人形──ではなく八本脚の蜘蛛型機械。
かなり大きく、人によっては気絶したくなるようなサイズ感……全長約4mほどか。
そんな蜘蛛をこの場に置くと、それは外界との通信を開始──『機械皇』と繋がる。
『同期完了──では、始めるとしよう』
「この場の残骸はご自由に使っていただいて構いません。ですが、あまり目立たないように動いていただきますと……」
『問題ない。光学迷彩は搭載している』
その言葉通り、次第に周囲に溶け込み姿を消していく。
……一部の機械が宙に浮くと、次の瞬間この場から消失する。
『分解、再構築は容易なようだ。これらを小型のアイテムボックスに収納、状況に応じたカスタマイズに使っていく』
「……多くの休人がそれをできず、諦めていた残骸なんですが」
『すでに気づいているのだろう? この世界に漂うコレをどうにかしない限り、かなりの出力が無ければできないと』
「ですね……話には聞いていましたが──世界全体にナノマシンが散布されているとは」
アトランティス世界の理、それによって生み出されているナノマシン。
休人たちが残骸を上手く扱えないのは、それが大きく影響しているのだ。