アトランティス世界解放 その15
アトランティス世界解放 その15
不法入界。
俺を経由してアトランティス世界へと潜り込んだ『機械皇』は、さっそく残骸を休人が扱えなかった掻き集めて取り込んだ。
休人たちがそのすべてを活用し切れていない残骸、辛うじて要所要所の部品のみを得て重要な部分を回収できていない理由──それこそがこの世界の理、ナノマシンである。
『興味深いな……解析の間、その情報源について聞いても?』
「ええ。元アトランティス世界出身の星敵、『修羅』さんから。曰く、この世界の住民はナノマシンを用いて、多くのことを成し得ているようです」
役場に戸籍を登録するのも、ナノマシンを正規に扱うため。
彼らは身分に合った権限でナノマシンを用い、日常を過ごしていた。
中でも【科法師】と【魔学者】は特殊で、外部の者や本来の権限が低い者でも通常以上にナノマシンを扱うことができる職業。
どちらの職業も、方法は違えどナノマシンによって事象を発現させる。
──だからこそ、ナノマシンが十全な状態で扱えない今は大ピンチというわけだ。
「ところで、『機械皇』さんはどのようにしてナノマシンを操作しているのですか?」
『? 見ての通りだが……』
「……無自覚ですか。私たち休人の中には機械分野特化の者も居ますが、そういった面々が未だに触れられていない場所ですよ?」
『そうか』
これだから天才は……って違うか、単に常識外れなだけ。
ただ果てしない研鑽の果てに、ナノマシンへとアクセスできるようになったのだ。
『ところで『生者』、お前ならば干渉できるのだろう?』
「……まあ、私の場合は裏技染みていますので少々遠慮を。もともと、ここでの世界への貢献は他の方々に譲るつもりでしたので」
『それが『生者』の望むことならば好きにすればいい……もっとも、私は私の大望のために手段を択ばないがな』
そう言った『機械皇』が現在行っているのは、ナノマシンを通じた世界の理の掌握。
機械分野に特化した『超越者』、その権能は別世界であろうとも健在だ。
「あっ、そうでした。今は絶対に中枢へアクセスしてはいけませんよ。神話による侵攻を受けていますので」
『…………それを早く言え』
「ここに来るまで話す機会はいくらでもありましたが、機械関連のことで討論をしていて忘れていました」
『……だがそうか。単に情報を遮断するだけでは対応しきれていない、これが神族の有する神性というものか。『生者』、これへの対策はどうしている?』
「実はですね、私がここに長居していなかった理由がそれなんですよ…………少し、協力しませんか?」
ここに来てしまった以上、必ず問題となる混沌の神話による精神汚染。
ルリとショウたちに渡した物も万全ではない、これを機にアップデートして もらお みよ う。