アトランティス世界解放 その17
アトランティス世界解放 その17
ナノマシンの機能不全により、住民たちも休人もてんやわんやなアトランティス世界。
そこに現れたのが、ナノマシンの働きを自前で成し得てしまう『超越者:機械皇』。
機能不全の元凶である異形を統べる神話。
彼らの神性とも呼ぶべき精神汚染を防ぐ対策を……という話の流れから、少々ぶっ飛んだ展開に。
『──こんなところか。データを送信する、確認してくれ』
「……あの、まだ十分ほどしか経ってませんが」
『?』
「いえ、何でも」
送られてきたものを(『SEBAS』が)さっそく解析、そして発覚──
「あの、仕込みはちょっと……」
『それで、理解できたか?』
「……ハァ。ええ、扱うことは何とか。あとはこれを誰でも運用できるように、手を加える作業が必要ですね」
アトランティス世界の機械を分解し続け、その度に理解度を深めていった『機械皇』。
そして十分もしない内に、それらを体系化して他者に理解させられるほどに。
なお、『SEBAS』によるとかなり複雑だったナノマシンの操作を、単純化してくれているようだ……まあ、スマホを通話だけにしか使わないようなものらしい。
……同時に送られてきたバックドアプログラムについては、対処に苦労したそうだが。
さっそくナノマシンのデータを利用し、継続的にハッキングする仕様だったらしい。
「まずは……少し頂きますね」
『ああ、やってみろ』
残骸の山から一部をピックアップ、手を付けられそうなものを選別。
そして選んだのは何かのリモコン、休人たちも用途が分からずここに置いたようだ。
先ほど送られてきたナノマシンに関する情報を加え、:DIY:の生産チートが発動。
生産に特化した擬似的な鑑定の真似事、本来どういった物だったのかを即時理解する。
俺を通じて『SEBAS』もそれを把握、すぐに何ができるかをいくつかピックアップして俺に送信──その中から一つを選び、作り上げていく。
「『万能手袋』」
お供は神器の手袋、指の先から工具が飛び出し分解・再構築の手助けをしてくれる。
また、指先が端子となり情報を送る……といったことも可能だ。
そうして完成した新・リモコン、見た目はほとんどそのまま。
だが中身はまったくの別物……何に使うのかも全然違うからな。
「できました、あくまでお試しですけど」
『それをどう使う?』
「まあ、やってみましょう──ピッと」
そうしてリモコンの先端に付いた、本来ならば起動/停止を担っていた部分を押す。
起動、つまりはナノマシンの励起──機能不全だったものを外部から動かした。
『……光ったな』
「ええ、まずは光った残骸を回収しましょうか。少なくとも、まだ動かすことはできるはずですので……それが終われば、次の段階へ移行します」
『了解だ』
ナノマシンに干渉する命令を受け付けることができた、まだ動かせる機械を回収。
俺たちはこの場を離れ、様々な実験を始めるのだった。