ナノマシン講座 後篇
ナノマシン講座 後篇
与えられた権限の範囲で、チップでナノマシンに命令を送り事象を発現する。
その権限は現在向上できず、職業に就いた際に与えられた分でしか使えない。
……渡された初級機術のチップとやら、これは魔法で言えば下級魔法のようなもの。
スキルを育てれば強くなる魔法と違い、権限は現在まったく上がらない。
いろいろとメリットを挙げることはできるが、やはり強力無比な事象を生み出せないというのはデカいデメリット。
それに気づいた休人たちが職業枠を圧迫する【科法師】/【魔学者】をリセットするのは時間の問題…………となるのが、本来の流れだったのかもしれない。
「人工ナノマシン、メカメカ団が開発したアトランティス世界以外でも使うことができるナノマシン……まあ、まだ不完全ではあるみたいだけど」
本来のナノマシンは星脈の力を利用して増殖する性質を有しているが、人工ナノマシンにそんな機能は無い……むしろそれができたら、確実に逸脱した連中が派遣されていた。
「機術……【魔学者】のチップによる命令だけでなく、【科法師】の……科法にも使えるナノマシン。一番の売りは、権限による規制が無いってところか」
就職した時に何も貰えない、ということで認定を受けなかった【科法師】。
そちらもまたナノマシンを使うが、【魔学者】のような別途必要な物は無い。
行使者の権限、そして何をしたいかという意思さえあれば事象を発現できるのだ。
まあ戦闘時に集中を切らさず使いこなせるか、というと少なくとも俺だと難しいな。
人工ナノマシンはそれらをアトランティス世界の外でも、ある程度使えるようにしてくれる……あちらほど高い出力は出せない、それこそ初級レベルなら容易とのこと。
そして人工ナノマシンには、アトランティス世界のルールとも言える権限による縛りが設けられていない。
なのでチップがあれば、見合う想像力さえあれば大規模な事象が発現できる。
休人たちは大いに盛り上がり……すぐにその熱量を下げた。
「…………増産がな。全員に行き渡るようになるにはかなり時間が掛かるだろうし、何より使い捨てだもんな」
一発一発に掛かる費用がバカにならず、再利用はできない。
魔技なら魔力を回復すればまた使える、だが機術は金というコストも掛かってしまう。
他にもいろいろと問題があるようで、今はまだその改善に努めている段階。
一般休人にできるのは、それを待つかアトランティス世界の復旧に協力するか。
「とりあえずまあ……やってみるか」
その例外、自前で作れるし無限に複製できてしまう俺。
製造方法を貰う代わりにデータを渡す取り引きだし、さっそく試してみようか。