機械大陸地下 前篇
機械大陸地下 前篇
イベント世界 機械大陸
イマジネーションの重要性、科法を試してみたらそのことに気づいてしまう。
……集中力が欠けている俺では、それを高めることができなかったよ。
「マキナ、見ていますね? そちらに誘導していただけますか?」
イベント世界の機械大陸に上陸後、誰も居ない場所でそう呟く。
すると地面の一部が発光、線が描かれ俺を誘導する。
順路通りに進んでいけば、そこには一台のカプセルマシン。
勝手に開いたその中に入ると──床が抜けて俺を運んでいく。
スライダーに乗ってどこまでも。
透明な管から見えるのは、地下に広がる巨大な施設──そこから外れた小さな小屋、終着点はそこだった。
「……ここは、転送される流れだと思ったんですがね」
『さすがに時間が無いから。むしろ、この短期間で準備したことを驚いてほしかったんですけど~?』
「準備? すでに用意してあって、実用化していなかっただけでしょう……被験体、志願しても良かったんですよ?」
『先生っていろいろ特殊過ぎるから、こういう時にはちょっと……それに、もう済ませてあるから使おうと思えば使えるよ』
そこで待っていたのは、モニターの中に住まう精霊の少女。
最新のイレギュラー、機械精霊マキナが掌握済みの大陸を操作して俺を招いてくれた。
『それで、先生の要件は例のナノマシンについてかな?』
「話が早い──『SEBAS』」
『──はいはーい、あとでこっちでも編集して送っておくね』
俺が撮影した記録は、『SEBAS』だけでなくマキナにも編集されている。
見せられない部分が時折含まれているからな……その辺を上手くやってもらっていた。
同時に、送ったデータから俺が来た理由もだいたい察したのだろう。
遠くで機械が稼働を一時停止、これまで以上の速度で生産を始めだす。
『ところで先生、仮想脳って分かる?』
「……架空の脳みそでしょう? 生物が備えている思考を担う機関、それを擬似的に外部へ出力した──」
『もう、いちいちはぐらかさないでよー。できるよ、それ。演算補助ぐらいなら、今すぐにでも可能だけど』
「……今は止めておきなさい。来ますよ、秩序が」
イベント世界は複数の世界で管理している形になっている、つまりは彼女が出張ってくる場所──『忌創展概』という例外を除き、禁忌に触れることを行なってはいけない。
マキナの提案通りに事を進めていくと、必ずその問題にぶち当たるだろう。
……たとえ俺たちが至らずとも、過激な方向で求めれば思いつくことだからな。