機械大陸地下 後篇
機械大陸地下 後篇
メカメカ団の本部、その地下でやり取りを行う俺とマキナ。
……どうやら内緒で、ヤバい研究を進めていたらしい。
ナノマシン運用技術の一つとして、テストプレイ撮影中に提示した代理脳。
それに近しいもののようだが、やり過ぎるとだいたい禁忌判定だからな。
『そういえば先生、他にもプランがあるみたいなデータがあったけど……それは?』
「……何を、企んでいるので?」
『あっはは、もう先生ったらひどーい。この顔がそんなこと思っているように見える?』
「はい、とても」
『もーう!』
ははっ、と乾いた笑みで返す。
……そもそも顔どうこうなど、いくらでも見せ方を変えられるのがマキナの強みだし。
「……単純な話ですよ。ナノマシンが足りないのであれば増やせばいい、要はそれだけのことです。アトランティス世界の性質上、それは魔力を置換する形が好ましい」
『──あっ、そういうこと』
「そういうことですよ。それを外部の魔力で行おうとすれば、当然何かしらの問題が生じてしまう。ならば体内魔力を……正確には、体内に取り込むのみを対象として、それを行なえばいい」
『魔力を不要とする種族がちょうどいるもんね──つまり機人族かー』
機人族は魔力を自前で有さない。
外部から取り込む、または増設した機関で増やすといった方法でのみ魔力を扱う……しかしながら、日常生活にそれらは不要だ。
彼らに組み込めるようなナノマシンの生産機関を開発、そして使用してもらえば──という没案があったりする。
「と、これでは機人族の方々にご迷惑をおかけしてしまいますので……実験はともかく、実際に使うのは休人次第としたいですね」
『転生、だよね、たまに種族を変えたって当たり前みたいに話す人も居るし』
転生、創作物でよくある死んで再び……ということではない。
EHOにおける転生とは、種族を異なるものに変えること。
普人族が獣人族に、あるいは森人族や山人族に……といった風に、上位種族ではない種族となる場合を転生と呼ぶ。
いつでも自在にできるわけではなく、種族レベルを一定まで上げたり特定のアイテムをコストにする、あるいは課金……強制的に種族を変更するなんてものもあるか。
機人族となることも可能であり、俺はこの方法を取ろうとしている。
……休人なら失敗しても、補填してからまた転生してもらえばいいだけだし。
『それいいじゃん! さっそくみんなに試してもらおうよ!』
「……まだ人工ナノマシンも機術及び科法も完全に広まっていませんし、もう少し後でも良いのでは?」
『だからこそだよ! ふんふん、[掲示板]で募集スレを出したから、すぐに被験者が出るはず……ってさっそく来たよ!』
テンション高めといった風にはしゃいでいるマキナだが……要するにソレ、デメリットが分かっていない状態で実験を強行しているだけだろうに。
そういう部分は機械的判断の産物か。
……まあ、先行特典やら補填付きとなれば休人は気にしないか──誓約書も書かせるだろう、自己責任の範疇である。