ジェネレーター 後篇
ジェネレーター 後篇
ド・ライブ氏が発狂してしまった。
……某神話の仕業ではなく、俺 というかマキナ が彼らの仕事を爆増させてしまったからだろう。
ジェネレーターと呼ばれるようになった、ナノマシンを体内魔力の代わりに生み出せるようになる機関……現在、多くの休人たちからこれについての連絡が殺到中らしい。
「──まず先生、これ以上は無いですか?」
「これ以上とは? ……ああいえ、そうですね。現状では、出し尽くしましたね」
「そうですか。本当に、こんなこと言いたくはありませんが……限界なんです。せめて休日に……嗚呼、ここだと毎日が休みという設定でしたね、あははははっ!」
「……お茶、もう一杯どうぞ」
「貰います!」
精神安定剤代わりになっているお茶。
……これの中身(万能薬)を知ったら、今以上に発狂するだろうし、秘密にしておくとしよう。
俺がさっと湯呑みに注いだお茶を掴み、グイッと一気飲み。
熱いと思うんだが……まあ、この世界なら耐性とかいろいろあるし大丈夫か。
「平日の今でこれなんですから、休日になったらどうなることやら……マキナにお願いして、割り振りはしてもらいましたが、それでも滅入ってますし」
「[ウィスパー]や[メール]も殺到しているわけですか……」
「通知音が鳴りやまなかったので、今は一時的に切ってます。重要なものはそのままですけどね、もちろん先生も」
……野放しにしたら危ういから、みたいな理由なことは言うまでも無かろう。
俺はそもそも登録している相手が少なく、そもそも『SEBAS』が管理している。
まあ、『プログレス』に[メニュー]関連のシステムを組み込んだ関係で、原人の無視できないような連中からも時折連絡が来るんだけれど……うん、未読だからセーフ。
「人工ナノマシン自体は現状可能な最高率で増産しています。機関もマキナがレシピを製作してくれたので、それ用にカスタマイズされた機械があれば製造可能です」
「それは、何が問題なのでしょう? 先ほど仰ってましたね、助言していただきたいと」
「……ジェネレーターは機人族に取りつけることが前提で、他種族では使えません。ですが転生を選びたくはない、という方々からどうにかできないかという相談が」
「まあ、当然と言えば当然ですか。つまり、どの種族でも使うことができ、ある程度どこでも使える……付け加えるなら、問題にならないよう魔力濃度に変化を及ぼすことなく、人工ナノマシンを造る装置が欲しいと」
「…………開発部も頭を抱えていて。先生、どうかアドバイスをください!」
無理難題である。
少なくとも、現状で正解を出すことはできない──うん、だから仕方のないことだ。