アトランティスの理物 前篇
アトランティスの理物 前篇
アトランティス世界
人工ナノマシンを生み出す機関、通称ジェネレーターが大人気。
現状だと機人族しか使えない仕様に、どうにかならないかという要望が殺到。
助言を求められた俺なのだが、残念ながらこちらも手詰まり。
──少なくとも、今のままではどうしようも無かった。
「と、いうことでアトランティス世界です」
「……あの、どうして隠密行動を?」
「先日、少々特殊な入り方をしてしまいましたので。その影響がまだあるかもと思いまして……ともあれ、やはり本場に来るのが一番ですよ、いろんな意味で」
「天然物がほぼ無限にあるのに、人工物に頼りっぱなしは私たちの立場が……」
結局のところ、俺もメカメカ団も足りていないのはアトランティス世界の理解。
言葉通りでもそうだし、理を解きほぐすという意味でもだ。
……ついでに言うと、この世界におけるメカメカ団の評価は他の一般休人より高め。
より多くの情報が得られるだろうし、そこに便乗したいという目論見もあったりする。
「先生に言われた通り、手の空いている……というか空けられるようになった人員も加えてこっちに来ましたけど、具体的にどういったものを探せばいいんですか?」
ジェネレーターの製造工程の一部、そして休人たちからの問い合わせ対応などを自動化することで人員を追加で確保、アトランティス世界での調査部隊に組み込んだ。
もともとメカメカ団の中でも、この世界の雰囲気を好む連中が進んで調査を行ってくれていたのだが、それでは時間が足りない。
問い合わせは封殺できても、対策できていない現状に一番頭を悩ませているのは他ならぬ彼ら自身……もやもやを解消するため、現地でのフィールドワークに挑んでいる。
「どういったもの、ですかねぇ……」
「……え゛っ、ノープランですか!?」
「ああいえ、どういった物というかアイテム名が分からないといった感じですかね。この世界の理を強く秘めたアイテム、陽鉱石のような物を必要とします」
「アレのような……いえ、つまり鉱石ではない可能性もあると」
「その通りです。実は植物だった、といった可能性も無いわけではありません。こちらの世界の方々も、少なくとも権限が高くない内はナノマシンについて詳細な情報を有していない以上、こちらに来る必要がありました」
アトランティス世界の住民と親交を深めた休人も少なくないのだが、この地に居る住民は口を揃え、権限が足りないから情報にアクセスできないという。
それを知れる立場の者は、最前線で某神話の手先と戦っていたりする。
だがそこに行くためには、活躍して実績を評価してもらう必要があった。
……おつかい、というかゲーム的流れというべきか。
メカメカ団の面々には、調査と並行して正規の手段も試してもらうつもりだった。