アトランティス奪還作戦 その01
アトランティス奪還作戦 その01
世界の存亡を賭けた戦いが繰り広げられる中、火事場泥棒的ムーブを魅せる俺。
協力者としてメカメカ団には正規の手段で頑張ってもらい、裏で暗躍するイメージだ。
「──先生、次がもう来ています!」
「こちらももうできていますよ! このまま前線に持っていってください!」
「はい!」
激しい戦闘音に負けないよう、声を張り上げながら会話を行う。
……結界を張って無ければ、常時死んでいるような騒がしさ──これが戦争か。
先ほどまで整備していたバイクのような形の機械を、ド・ライブが『プログレス』の乗り物専用収納空間に突っ込む。
クラン的に偉い人だが、『プログレス』の有用さはオンリーワンゆえに替えが効かないという問題から、前線で俺と共に駆ける必要性を生み出していた。
とはいえ、俺たちが任されているのはそこまで重要な物では無い。
大半は休人が持ち込んだ物で、ごく稀に最終手段として原人たちも持ち込むぐらい。
機械技術が栄えた世界なので、ナノマシンが機械を直す方面でも技術は育っている。
本当に重要な機械などは、それらを備えた設備の方に持ち込まれているとのこと。
「ふぅ……『SEBAS』、報告を」
ド・ライブ氏は関係各所に連絡を取ると、直接その場へ向かった。
残された俺は独り、誰にも聞こえないよう呟きだす。
《畏まりました。周辺に反応はゼロ、ここまで来ましたが収穫はございませんでした》
「……無いことが分かった、だから良しとは言えませんね。やはり、陸地で見つけるのは難しいということかもしれません」
改めて、アトランティス世界の地形について説明しよう。
九割九分九厘が海、残った一厘が陸地──その周辺を埋め立てている形だ。
イメージとしては……上から見たシャンデリア、だろうか。
中心部は丸く、それゆえかその周りの埋め立て地も同様に囲うような形となっていた。
その中央には星脈が存在するが、住民たちが厳重に管理し用いているため干渉不可能。
その星脈をこの世界の技術で埋め立てた場所にも回しているが、そちらも同様である。
アトランティス世界の星脈の内、住民たちが管理できているのはこれですべて。
……残りはすべて深い海の底、今は当然占有されている場所に。
「比率で言えば陸地の星脈が異様に太く、組み上げている量もとんでも無いからこそ勝っているようですが……なればこそ、満足せずに攻め込んでいるわけですか」
《逆に言えば、海から彼らを追い出しても理物を確保できない可能性が浮上しています》
「……そうなんですよね。せめて少量、純度さえ高ければどうとでもなりますが、そもそもゼロだと何もできませんね」
アトランティス世界の奪還戦線は、あくまで陸地から彼らを追い出して入って来れないよう対策することが目的となっている。
つまり、海というか世界からも追い出すのはまだまだ先という認識。
……だからこそこうして、休人たちを煽り強引に押し進めているんだよな。