アトランティス奪還作戦 その02
アトランティス奪還作戦 その02
アトランティス世界を取り戻す、それを住民たちの想定を超えて行わなければならない理物の確保ミッション。
彼らが確保している星脈以外、すべては海の底にある海上世界。
ただその一つがこの世界のほぼすべてを占めているからこそ、現状が成り立っている。
『集え、アトランティス! イベントはまだまだ終わりじゃないぞ! 海に眠るお宝が君たちを待っている!』
準備を整え、俺たちは参加者を募る。
マキナを起用したイベントの宣伝、伝えてほしい内容を送ったら爆速で広告映像を作り上げ、[掲示板]に投稿してくれた。
休人の強みと言えばやはり[死に戻り]だと思われがちだが、それと同じくらい利便性が高いのが[掲示板]や[メール]といった情報の無制限な伝達。
その場に居らずとも外部の最新情報を知ることができるし、[死に戻り]と組み合わせることで無謀な突貫で得た情報から無限に学習を繰り返しそれを共有することも可能。
今回の場合、持ち場を離れることなく不特定多数を煽り利用するために用いている。
多くの休人が非現実感を求めてEHOに来ているのだ、俺たちはそれを提供するのみ。
『みんなの参加、待ってるよー! アトランティス世界で、私と握手♪』
「……握手、できるんですかね?」
「…………最近、ナノマシンを使って触覚に干渉できるようになったみたいで」
「それはその……大丈夫ですか?」
「もともと掌握されていましたし、今更ですよ……ハハッ」
マキナというイレギュラーな存在により、機械技術は更なる発展を遂げているようで。
その完成度を高めるためにも、おそらく理物は必要になるわけだ。
個人というかクラン主催のイベント、というものは意外と多かったりする。
その大半は新人歓迎や勧誘のものだが、稀に大規模レイドで魔獣討伐なども行われる。
今回、メカメカ団はアトランティス世界の住民から勝ち得た信用をフル活用し、新たに二つの[クエスト]を発注させた。
ワールドクエストとはいかないものの、ある種彼らのお墨付きで行動ができるわけだ。
その内容こそ──海の奪還、またアトランティスの都市拡張となっている。
「……本当に、よく了承してくれましたね」
「あちらとしても、現状が続くことは避けたいのでしょう。アトランティスの都市を形成する円状の埋め立て地、それを更に増やすことが今回のミッションです」
なお、資源についてはさすがに廃棄孔だけで賄われるはずも無く。
海の中に沈んだ迷宮、それらからこれまでは鉱物などを確保していたらしい。
素の迷宮こそが、ほとんど陸地に取られている星脈の数少ない行き先。
……目的を達するためにも、何としても行かなければならない場所なのだ。