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アトランティス奪還作戦 その12

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アトランティス奪還作戦 その12

迷宮『鉱機鋼洞』→『鉱奇怯洞』五階層

変質が発覚した迷宮。

ここからが本番とばかりに、五階層はこれまで以上に異形染みた空間と化している。

だが、いやだからこそ休人たちは燃えることだろう。

未踏破の迷宮を最初にクリアすれば、本来特別な報酬が手に入るからな。

「……あー、仕方ないとはいえ暇だ」

機体の中、『SEBAS』任せで移動する俺の視界は勝手に流れていく。

ただ汚染対策で映る光景はほぼ同じ、変わり映えしないのだ。

機体に入っている間、俺自身ができる行動には制限が掛かる。

装備中でも使えるような、職業能力や装飾具などもあるにはあるんだがな。

《いかがなさいますか? よろしければ、撮り溜めた映像などもございますが》

「……さすがにそれは舐めプが過ぎるしな。参考までに聞くけど、どういうヤツ?」

《現実から映像を持ち込むことはできませんので、アイスプルの日常が主なものです。他には実験場の記録、あとは定期的に行っている各星々の定点映像などでしょうか》

「うちの子たちの映像とかは……無理か」

《何分、ドローンが入り込む余地の無いような場所に向かわれることが多く。奥様についても同様です》

「あっ、そっちは最初から分かってた」

さすがに俺も、自分が観たいからと家族に迷惑を掛けるような真似はしない。

……精々許可を貰って、自動撮影用のアイテムを渡しておくぐらいだろうか。

ただ、目的が暇潰しというのも問題か。

しかし、気を紛らわせるという意味では有りか……さっきの候補の中から、どれか一つ見てみよう。

「そうだな…………日常ってどんなだ?」

《プライバシーへの配慮もあるため、主なのはやはり戦闘ですかね? これについては後から見直して反省を行いたい魔物などからも許可が取れておりますので》

「魔物たちでもそういうことをきちんと考えているってのは、昔のゲームとかだと考えられないような概念だよな」

《高い知性を有する、風兎の民だからこそでしょう》

「……高度な駆け引きとかもあるし、何より固有種としての能力やら『プログレス』なんかも使われるわけだし。外部に投稿したら凄く盛り上がりそう……絶対出せないけど」

情報が漏れたせいで能力のネタが割れ、討伐されました……なんてことになったら、それこそ風兎に俺はどんな目に遭わされるのか分かったもんじゃない。

「一先ず観てみよう。で、面白かったら次に行く。ああ、それっぽい場所に着いたらいったん止めてくれ」

《畏まりました》

当初の否定はどこへやら、とりあえずという無意味な理由立てを行い視聴を始める。

他の者たちが必死に迷宮を攻略する中、独りのんびりとした時間を過ごす俺だった。