アトランティス奪還作戦 その13
アトランティス奪還作戦 その13
迷宮『鉱奇怯洞』六階層
時間潰しは頑張っている『SEBAS』に申し訳ない、そう言ったはずの俺なのだが気づけば提案された通りに動画視聴を……内容が気になったんだよ。
《──旦那様、目的地周辺に到着したと思われます》
「…………面白かったな」
《ご用意した甲斐がございます。お気に召しましたか?》
「これは俺だけで独占ってのも……あんまり外部に広めたくは無いし、家族にとりあえず公開してみるか」
ドハマりしてしまった。
まさか、大怪獣VS小動物において絨毯爆撃の映像をあそこまでド派手に演出してくれるとは……うん、だいぶ叫んだ気がする。
外部に漏れると攻略法が出来上がってしまう可能性があるが、逆に言えば討伐しない範疇で遊んでくれる者であれば、見せてもいいのかもしれない。
身内はもちろん、条件付きで他の者たちにも……決して完全な討伐はできないよう、仕込みはさせてもらうけども。
対戦相手やパターンがほぼ固定なのも、アイスプルに住まう民たちが抱える問題の一つだったからな。
「で、着いたのか。[マップ]…………六階層ねぇ。つまり、それ以上の改築は向こうもできなかったのか」
《あるいは、それ以上は増やすよりも弄ることに注力した。そもそも、彼らにここを根城とする必要性はございません》
「重要な資源が手に入らないよう、管理者権限を奪えればいいわけだしな。全部を侵食していないわけじゃなくて、まだし切れていなかった? ……なら、このタイミングで動けただけマシだったわけだ」
早くても遅くてもダメだった。
前者であれば存在に気づかれ、後者であれば完全に迷宮を汚染されて全階層が使えない状態になっていたことだろう。
現在の迷宮は途中まで、この六階層を核として上層を汚染していく形だ。
この階層に守護者を配置し、存在する限り自動的に侵蝕が進行する。
それまで問題無かったからこそ、突然海を目指した俺たちに対応できなかった。
……放置しても大丈夫だと、視線を逸らした瞬間にトラブルが起きたようなものだ。
「つまり、今ここの守護者を討伐できれば侵蝕は解除できる?」
《……残念ですが。すでに侵蝕された部分が討伐と同時にリセットされる、ということにはならないでしょう。しかし、彼らの支配下から取り戻し、安全な形で運用できるようにはできるでしょう》
「…………そう、だな。仮に何かここから失われていても、それは彼の神話のせい。決して初踏破者が悪さをしたわけじゃない」
《──仰る通りかと》
きっと、迷宮を侵蝕した時に理物っぽいモノまで奪っていったに違いない。
えーい、許さないぞー! なんて酷いことするんだー!