アトランティス奪還作戦 その18
アトランティス奪還作戦 その18
一階層に(死に)戻り、最下層の情報をメカメカ団経由で広めてもらった。
有力な聖職者たちが攻略してくれることを信じて、今は暫しの休息に入る。
「ふぅ…………えっ、もう?」
「あの……はい」
お茶を一杯啜り、[インベントリ]に入れていたお菓子をポリポリすること数分。
──メカメカ団の一人から、最下層到達の最新情報を受け取っていた。
探索している面々とそういった取り決めをしていたからか、メカメカ団は[掲示板]に上がる前の・上がらない情報などを知ることができる。
そんな彼らと交友を深め、俺もその恩恵にあやかることができたわけだが……てっきりまだ四階層辺りだと思ったのに。
「……余程、優秀なんでしょうね」
「実は先生のお陰なんです。その人、少し特殊な『プログレス』の持ち主でして……先人というか誰かがやったことに限って、自分やパーティーメンバーに成功補正が入る、という効果らしいんですよ」
「それは…………破格ですね」
事情を聴いてみれば内心驚愕。
初期の段階で、有用な『プログレス』などはいくつか『SEBAS』にリストアップしてもらっていた。
今回語られたソレもまた、そうして俺が目にしていたものの一つ。
──が当初はまだ出力の関係で、自分限定の微々たる補正だったのだが。
成功補正、というのがまずとんでもない。
定義付けられる概念の幅が広過ぎるので、前提条件である誰かがやったことならば……という部分も比較的容易にクリアできる。
いづれ借りるかもしれないな、とは思っていたが……成長しているようで何より。
俺独りではできない、『プログレス』に無限の可能性をもたらす事業は無事進行中だ。
閑話休題《おかりします
件の擬似権能──『サクセスサクセスタ』については置いておくとして。
重要なのはそれによって生み出された、最下層到達という結果だ。
仮に、そこまで辿り着いたのが俺(というか『SEBAS』)のお陰だとして。
今俺がここに居ることから分かる通り、最下層での活動に俺は適応できなかった。
つまり効果の対象外、これまではできていたという前提が唐突に崩れてしまう。
このままであれば、死亡して戻ってくることになるだろう……彼らだけならば。
「後続の方々は?」
「順路を確保し、安全地帯を維持しながら五階層の階段付近で小休憩。後程、最下層へ突入するようです。複数人の聖職者ロールの人で協力すれば、何とか影響を受けないようにできると」
「……さて、見守るべきか関わるべきか。いづれにせよ、これでは高望みはさすがに難しくなりましたね。そうだ、クランの偉い方に連絡はできますか?」
「えっと、マキナちゃんを通してなら……隊長なら、支部長たちとも連絡できると思うんですけど」
「いえ、あの娘で構いませんよ。では、内容ですが──」
そして俺は伝言を任せ、再び迷宮へ移動。
周囲に誰も居らず、感知範囲にも居ないことを確認し──その場から消えるのだった。