アトランティス奪還作戦 その19
アトランティス奪還作戦 その19
迷宮『鉱■■洞』 六階層
まさかの事態、『プログレス』パワーで最下層に休人たちが到達した。
このままだと踏破しかねない、そう考えた俺はメッセージを残し再度迷宮へ潜る。
「……不味い、進んでいますね」
休人たちの活躍により、侵蝕された迷宮が再び変動している。
表示された[マップ]における迷宮の名称から、そう予測した。
つまり、順調にギミックを解きながら守護者と戦闘できているということ。
……出し抜くのは困難、また出し抜こうにも某神話の汚染は未だ健在。
「深入りはできない、そうなると…………掘るしかありませんね──インストール、『エクスベイター』」
管理者権限を用い、『プログレス』を外部からインストール。
他者の願望を拝借し、顕現させるのは一本の鍬。
「“ディグホー”。『SEBAS』、装備を換装して星具にします。職業を現状に合わせたものにしてください」
《精神汚染が加速してしまいますが、それでもよろしいでしょうか?》
「これは時間との勝負です。あるいは、賭けですね。堀った先にソレがあればよし、無ければまた別の機会に……何かあれば、強制的に離脱させてください」
《では、そのように──“職業系統樹”を起動します。プリセット『採掘』を読み込み、反映させます》
精神汚染を避けるため、纏っていた装甲を[インベントリ]へ。
代わりに纏うのは:DIY:によって生み出された、無数の星具の数々。
こちらもまた素のスペックの高さで、ある程度精神汚染を防ぐことができる。
……時間経過による汚染は無理だろうが、そちらは『SEBAS』に任せた。
それと同時、搭乗を前提としてセットしていた職業が切り替わっていく。
握り締めた鍬がより手に馴染み、若干の高揚すら覚える……そういう職業能力たちだ。
「それじゃあ、掘って掘って堀りまくっていきましょうか!」
その前にポーションを軽く一杯。
中身はATKを加算してくれる代物、筋力にも僅かながらに補正が入る。
鍬を持ち上げ、地面に振り下ろす。
自身の方に引き寄せ、引っ張り切ったところで再度振り上げての繰り返し。
なお、これらはすべて俺の意思によるものではなく『SEBAS』による自動操縦。
結界が体を弾き、AGI1以下の鈍重な肉体を無理やり動かしている。
ATKの底上げを図ったのは、掘った際に能力値による判定があるため。
より深く、より多く地面を削るために俺は鍬を振り下ろしていく。
「スコップも、シャベルも、掘ることには、使いづらい、ですからね! 急ぎでは、ありますが、まずは土台造りです!」
溜まった土は後程、鍬を別の形態にして退かす予定だ。
今はとにかく無心で掘り続ける……守護者よ、できるだけ粘ってくれよ!