アトランティス奪還作戦 その23
アトランティス奪還作戦 その23
イベント世界 機械大陸
理物の回収に失敗してしまった。
俺の代わりに踏破報酬としてそれを手にした休人たちは、価値を理解し切れない状態でアトランティス側から交渉され譲渡済み。
どうにかしようと思ったが、ぶっちゃけこれ以上の策は無い。
自信ありげに「秘密です」とか言ったが、強硬策以外思いつかないダメな大人です。
「──というわけで、諦めましょう。今回は縁が無かったということで。ああ、負担していただいた分の補填はきちんとしますのでご安心を」
「……それは、助かりますが」
毎度お馴染み、俺の担当係にさせられてしまっているド・ライブ氏への結果報告。
平和的に手にする方法が無くなった以上、残された策は交渉(物理)のみ。
どれもアトランティス側との関係性を悪化させるものばかり、それも俺だけでなく休人全体が……さすがにそれは忍びない、というか責任問題で胃が辛くなりそうなので中止。
「本当に残念です……上手くいけばアレやコレや、創作上の概念が実現できたかもしれないというのに」
「えっと、それはどういったものなんでしょうか?」
「そうですね……パイロットや機体が強化される粒子みたいなもの、ですかね?」
「本当ですか!?」
「え、ええ……元よりナノマシンに近しいと解析結果は出ていましたので。理物がそれを自ら生成できるというのであれば、それらの増幅や性質を利用した特殊機構などもできなくはないでしょう」
あまりSF作品に精通しているわけでもないので、簡単なたとえしかできない。
だがド・ライブ的にはこの説明で充分なようで、まさに夢心地といった様子だ。
「完全版は回収できませんでしたので、他の休人の方々に上手くやってもらいましょう。アトランティス世界を彼らの手に無事取り戻せた暁には、お礼として少しぐらい分けてもらえるかもしれませんからね」
「……あの、先生。今、完全版と仰っていたような。まるで、そうじゃないものが存在しているみたいな口ぶりで」
恐る恐るといった風に、先ほどまでとは一転したご様子。
俺も後から知りました、『SEBAS』のサポートはばっちりです。
「はい……残念ですが。採掘の際に星脈へのアクセスはできていたので、少しずつ。本来の理物と違い、あくまで理のエネルギーを抽出しただけ。これでは機能しませんので」
「ですが、何かしらの用途はあると」
「だからこその完全版だったのですが……できることと言えば、アトランティス世界内で一時的なブーストを受けて【科法師】や【魔学者】としての力を使えることぐらいです」
「いや、充分過ぎますよ!?」
ただこれもまた、後が面倒になるので理物獲得には直接では使えない。
……片側の陣営のみ渡す、なんてやり方もできなくはないんだよな。
現状では机上の空論なのだが、レムリアやパシフィス世界でやっていることなので。
それこそ俺には、頼もしい:DIY:先生がいらっしゃるので!