アトランティス奪還作戦 その25
アトランティス奪還作戦 その25
アイスプル 迷宮『星績の賢究所』
マキナとの取り引きも済ませた。
メカメカ団にも秘密で持ち込んだ、情報改竄済みのアトランティス世界エネルギー。
あの偽装方法、『愚かな賢者』から貰った術式だからこそできるグレーな手法。
……持ってないだけで、それこそ詐称系のスキルや職業があるとかなり化けるよな。
「というわけでお土産の石の詰め合わせだ」
《すぐに解析を行います》
「任せた」
飛んできたドローンが搭載していたアイテムボックス(時間停止)に[インベントリ]から石を移していく。
この時、いちいちアイテムを出す必要は無くUI画面から操作すれば転送可能。
……外気に触れさせたくないアイテムを動かしたい時など、とても便利だよな。
「まあ、裏取引なんかでもこういう感じで内密に移したりするみたいだけど」
少し前、『死天』の試練をクリアするために行った修行でやった[インベントリ]操作による抜刀術。
アレと似た技法で、場所を把握したうえでこっそりとアイテムを譲渡するのだ。
……事前の許可が必要なので、嫌がらせなどには使えないけどな。
「どれぐらい掛かりそうだ?」
《不明です。やはり、理物が無いことがネックとなってしまっています》
「…………当たりが出せていればな」
《こればかりは。あるいは、それすらも考慮されていたのかもしれません》
「もうな、途中から目的を忘れていた気がするし。そもそもの話、俺がアトランティス世界に行ったのも流れだし。違うよな、メタトギアに行った理由」
多くの者が忘れていることだろう。
実際、俺自身だってぶっちゃけそう……メタトギアを訪れた理由、それはアトランティス世界に向かうためではなく──
「──ジンリ対策だったんだよな。アレ、結局どうなったんだ?」
《実は、いくつか完成しております。メカメカ団に提示した『ワープゲート』、そこから発展させた装置です》
「! アレ、応用とかあったのか……」
メタトギアの初回探索を経て、『騎士王』から発行された[クエスト]。
その際、メカメカ団にいくつも造らせた空間安定装置『ワープゲート』。
俺はそれを休人たちが安全にアトランティス世界へ向かうために提供したが、それ以上の目論見などは無かった。
「流れとか、俺の欲しい物から察するに……ジャミング関連で合ってるか?」
《ご明察です。仮称『ワープジャマー』、意図して空間を乱すことで転移を阻害する装置となっています》
「おおっ、これで何とかなるのか!?」
《……遺星具のスペック次第かと。すぐには突破されないでしょうが、策が整わなければいづれは。その前に、更なる手法を用意しなければなりません》
とはいえ、俺の知らないところで無事解決していたわけだ。
……たしかにルリのお告げ、アトランティス世界とは一言も言ってなかったもんな。