花畑問題 その01
花畑問題 その01
魔導世界 第五魔道
瑠璃を経由し、届いた連絡を引き受けた。
問題は目的地である魔導世界から、俺が入界許可を得ていない点。
瑠璃の助力や俺のある伝手など、いろいろとやってはみる予定だ。
かつてプレイしていたゲームの開発者からの依頼だし、恩返しになるからな。
「ここが、第五魔道……初めて来ましたね」
さて、結論から言おう──『SEBAS』が連絡したあの方によって入界はできた。
貸しはできただろうが、ここに来る前のやり取り的には問題ないはず。
──アルス・ナギマ。
魔導世界のイレギュラー、生きた術式にして理の根幹に関わる存在。
そんな彼(?)に今回の件を話すと、彼専用の領域を通っての入界許可が下りた。
そこで更なる条件を提示され、それを引き受けると転送され──今に至るわけだ。
「『プログレス:ガーディニアン』に関する情報、やはりこの世界を蝕んだ擬似権能の情報が欲しいということですか」
《加えて、アトランティス世界の状況も理由の一つでしょう。神話による世界汚染、部分的に繋がる点もあります。資料の通り、かなりの被害が出ているようです》
「……そうですね」
おさらいだ。
現在、第五魔道の一部が花畑となっているのが問題となっている。
本来存在したモノを上書きするように、施設も地形も無視して花畑が出現していく。
もともとは高原だった場所が始まり、そこから時間を追うごとに広がっていった。
最初は魔導士による実験の影響、ぐらいの認識だった魔導世界も、止まらないその変化に調査を開始──『プログレス』による改変であることが発覚する。
現実と違い魔力のある世界、時間すらも操れるため犯人はすぐに特定。
それが休人のサンシンチ、『プログレス;ガーディニアン』の発現者だ。
「──と、ここまでは良くある話なんですよね。初めて試したら事故が起きる、というのも……そのせいで国を追われる、なんて話もあるみたいですけど」
《『プログレス』の発現タイミングは人それぞれ、また内容も異なるためチュートリアルが無いのも問題でしょう》
「『プログレス』が発現するまで、隔離空間に閉じ込めておくというのも手ではありますが……それは、阻害になりそうですね」
現実から解放されたEHOという自由な状況だからこそ、『プログレス』にもより剥き出しな願望が現れやすい──そこに強制を課すのは良くないだろうな。
まあ、自由過ぎた結果がサンシンチだったり『プログレス』を用いた犯罪者なんだが。
そんな犯罪者たちの最大の特徴、それは何だかんだ実力者から逃げ延びている点だ。