花畑問題 その03
花畑問題 その03
理由は多々あれど、しぶとく実力者たちから生き延びる休人の犯罪者たち。
ターゲットとなるサンシンチの場合、第五魔道という環境が主な理由と思われていた。
しかし、思い出してしまった『ガーディニアン』の能力“フラワーガーディアン”。
花を媒介として守護者を生み出すこの能力により、花畑は移転を可能としていた。
「依頼主との顔合わせはNGでしたし……ここは一先ず、ここのトップに会っておくべきですかね」
現在、『SEBAS』が守護者を探してくれているので暇となっている。
時間に余裕もできたから……というわけでもないが、そんなことを思いつく。
「……まあ、すでに把握しているとは思いますが」
『──やっぱり分かっちゃうかー。あっ、少しぶりだねー』
「お久しぶりです。お渡しした素材は、上手く使っていただけましたか?」
『そりゃあもちろん! ただまあ……アレのせいでその対応に使わなくちゃいけなくなったんだけどー』
声を出せば眼前が揺らめき、底に現れる半透明な女性。
彼女はこの魔道の管理者、『界樹の神子』に仕える神霊だ。
精霊の上位種なので、この自然豊かな魔道に溢れる精霊たちを介して俺の来訪を把握していた……と踏んでアプローチを取ってみたのだが、どうやら正解だったらしい。
『それで、『生者』君はどうしてここに来たのかな? まさか……あの娘が狙い!?』
「……ご存じなのでは?」
『あはは、でもいちおうね。あの花畑をどうにかしてくれるんだよね?』
「そういった依頼を受けましたので……ただ一つ、懸念がございまして」
先に思い浮かんだ、外部に居るであろう守護者の存在について語る。
このまま花畑をどうにかしても、これまで同様復活してしまうことも同様に。
『むー……それじゃあ、その守護者がどこかに居るかもしれないってこと?』
「おそらくは。少なくとも、これまで大規模な殲滅をされてもなお残っていることに、これで理屈はつくでしょう?」
『それもそうか……ねえ、そのサンシンチって子は何がしたいのかな?』
「さあ、私もそこまでは。ただ、『プログレス』は願望の表現そのもの。無作為に周囲を花畑に変えている現状こそが、彼女の求めるモノを物語っているのかもしれません」
さすがにプライバシーな部分までは、管理者であろうとも把握することができない。
分かることはこれまでの行動と結果、少なくとも止める気はなさそうだしな。
「花畑への対応、そして居るかもしれない守護者の捜索……私一人ではとても。ここで出会ったのも何かの縁、どうかご協力いただけないでしょうか?」
『ここは第五魔道、あの娘が守護する領域だもんね。うん、協力するよ!』
こうして『八大星魔:界樹の神子』の関係者に、協力者となってもらえた。
これである意味大義名分はできた、さっそく現場を見に行こうじゃないか。