花畑問題 その06
花畑問題 その06
インタビュー映像を神霊に見せてみた。
最初はある程度対話ができていたが、途中からおかしくなり……インタビュアーを死に戻りさせるという不穏な挙動を取っている。
これを観て神霊は交渉不可能と判断。
同時に、映像の中でターゲットとしていたデカい樹──すなわち世界樹を守護するためサンシンチを討つと決断した。
「……そろそろ確認しましょうか。あの方は今、動けないのですね?」
『そう。花畑の動きを少しでも遅らせるために、世界樹に祈りを捧げているわ。それを停めれば、動きも一気に速くなってしまう』
「助力は期待できない、と。では、どこまで許容していただけますか?」
『……当人だけどうにかする、って風にはできないの?』
「極めて困難ですね。それができないからこそ、これまでも一時の殲滅を以って侵入していたようですし」
サンシンチが監極送りになっていないのにも、絡繰りがあるから。
たとえ当人だけをピンポイントで討ったとしても、花畑は変わらず残ることだろう。
思いつく方法は二つ──俺がやられたように強制的に送り込むか、用意された攻略方法で彼女を討つか。
「あくまで最低限、最低限です。花畑となった部分については諦めてください」
『……仕方ないか。全部がダメになるよりかはマシだよね』
「やれることはやってみましょう」
とりあえず、花畑は全部処理せねばならないだろう。
一番効率よくそれが可能なのは、一気に消し去ることができる破壊兵器。
……が、さすがにそれを使えば俺も同様に指名手配されそうなので無し。
その系統に属する科学知識を参考とした物は、軒並み却下で間違いないだろう。
◆ □ ◆ □ ◆
「──『魔王の取腕:霧疫』」
科学の力は制御できない、ならばと選んだのはとある権能。
悪意をより凶悪に、自らに害が及ぶことなく他者を死に至らしめる星敵の御業。
他者の権能を模倣・ストックできる『魔王の取腕』。
かつて監極でその担い手に狙われた際、細胞を回収して使用条件は満たしていた。
権能の効果は細菌の極大強化。
より遠くまで、より甚大な被害を及ぼすように細菌の性能を高めることができる。
「ターゲットは花畑に指定、そして使うのはこれ──『インストール:ベストペスト』」
顕現する針型の『プログレス』。
最悪の細菌の名を冠したソレは、刺した相手に様々な症状を発症させる。
俺はそれを躊躇うことなく、一番近くで咲いていた花に刺す──同時に火を噴かれ俺は死亡したものの、針はきっちりと仕事を果たし細菌を内部に仕込んだ。
「これでしばらくは様子見ですね」
『……嫌な予感がするんだけど』
「私が持ち得る手段の中でも一、二を争うレベルで酷いですからね」
『……そんなの使うんだ』
毒も薬も使いよう。
上手く花畑だけを狙うことができれば、他に被害は出ないわけだし……ダメならダメで被害が悪化するんだけどな。