493話 めんどくさいやつ
493話 めんどくさいやつ
あれから森をかなり進み、ハルも各チームを1回ずつまわった頃
リン〔ハルさん、私の所に来てくれませんか?〕
ハル〔どうかしたの?〕
リン〔大きなアリの巣みたいなやつがあって、私が見ても分からないので見て貰えませんか?〕
ハル(アリの巣?……この森にそんなのあったかなぁ?)
〔わかったわ、すぐ行く〕
「てことで行ってきます」
リン〔わかりました〕
セキ「わかった、何があるか分からないので気を付けてくださいね」
ハル「うん、じゃ」
そう言ってハルは傍から見たら転移でもしたかのような速度で走ってリンの下へと向かった
ハル「おまたせ、言ってたのどれ?」
リン(もう来たの!?)
「あれです、何か出てきてこの子達を危険に晒すわけにはいかないので誰もここから近付いてません」
リンは目的のものに指を指した
そこには高さ約5mの幅10m程のちょっとした山のようなものがあった
約15m程度離れた場所でリン達は待機していた
ハル「いい判断ね、じゃあ私が確認してくるからみんなはここで待ってて、もし危険なら逃げるように言うからその時は真っ直ぐ森を出ること、いいわね?」
リン「わかりました」
生徒達「はい!」
ハル「よろしい」
その返事を確認し、ハルは山のようなものへ近付いた
ハル(リンの言ってた通りこれアリの巣だね、しかも相当でかいアリのアリの巣)
山の1番上に登ると、そこには直径5m程の丸い穴が空いており、そこから下に道が続いているようだ
そのことを確認し、一旦リン達の下へと戻った
ハル「これやっぱりアリの巣みたいだよ、まぁ普通のアリじゃないけどね」
リン「そうなんですか?じゃあ危険とかじゃないんですか?」
ハル「いや、かなり危険だね、まだ本体を見てないから確かなことは言えないけど、少なくともジャイアントアントとかその辺の魔物」
リン「え!?ジャイアントアントってBランクの魔物ですよね?それだと私達には結構荷が重いんですけど」
ハル「……リンのところって体験できるくらい魔物は倒せてる?」
リン「一応は、それでも1人1匹くらいですけど」
ハル「そっか」
そのまま少し考えていた
ヒャウガ〔ハルさん、俺のところのこれも確認して貰えますか?〕
ハル〔そっちも何かあったの? 〕
ヒョウガ〔さっきリンがアリの巣みたいなの見つけたって言ってましたが俺のところにもそれっぽいのがあって、念の為に確認してもらいたいです〕
ハル〔了解〕
「とりあえずあの巣は結界で蓋しておくけど危ないかもしれない、だから今来た道じゃなくて適当に迂回して体験を続行しながら森の外を目指して進んでもらえる?」
リン「わかりました」
ハル「アリは地面の中を進むからもしちょっとでも異変を感じたら急いで森から出てできるだけ離れること、いいわね?」
リン「はい」
ハル「じゃあ私はヒョウガのとこ行ってくる」
そして再度転移したかのような速度で走ってヒョウガの場所へと向かった
ハル「どれ?」
ヒョウガ「あれです」
ヒョウガは指を指した
ハル「あれねぇ」
(リンのところにあったものと全く一緒か)
ヒョウガ「あれはなんなんですか?」
ハル「リンのところにあったのもあれと同じなんだけど、見た感じはジャイアントアントの巣よ」
ヒョウガ「Bランクの?」
ハル「そう、単体ならBランクでもいいんだけど、巣があるならSでもおかしくない魔物よ」
ヒョウガ「中止にしますか?」
ハル(子供達に楽しんでもらいたかったけど仕方ないか)
「とりあえず今来た道じゃない場所を通って森を出てちょうだい、来た道じゃなければ魔物がいると思うから森を出るまでは続行、森を出たら最初の場所へ向かって」
ヒョウガ「わかりました」
ゴゴゴゴゴ
ヒョウガ「なんだ!?」
ハンク「なんか音がするんですけど」
ハル「……はぁ、みんな今すぐ逃げなさい!アリが出てくるわ」
ハルのその声を聞き、ヒャウガのチームは即座に走り出した
ヒョウガ「いいかお前ら!前だけ見て走れ!後ろはハルさんが何とかしてくれるからな!」
ハンク「ハルさんは大丈夫なんですか!」
ヒョウガ「大丈夫だ!あの人はこのくらいじゃ何ともねぇよ、あの人の心配するならまず自分の心配をしろ、追い付かれたら死ぬぞ!」
走りながら指示を出していた
ハル「さて」
〔みんな、死にたくなければ今すぐ森の外へ避難なさい〕
リン〔アリが出たの?〕
ミツ〔何があったの?〕
エト〔どうした?〕
セキ〔わかった〕
ハル〔リンとヒョウガが見つけたやつはアリの巣だった、そのアリの巣に近付いたせいでアリが出てくる、だからリンのとこは最優先、他はまだ見つけてないと思うから出来るだけ早く離れて〕
リン〔わかった!〕
ミツ〔危ないのね、わかったわ〕
エト〔避難だな、わかった〕
セキ〔直ぐに逃げろってことか!〕
それぞれ直ぐにハルの指示通り避難を始めた
ハル〔森を出たら森からある程度離れて最初の場所へ集合、みんな集まったら森から離れておいて〕
パーティー全員〔わかった!〕
ハル(とりあえず私は今のうちに森全体を確認しましょ)
『空間認識』
そう言って直ぐに森全体を隈無く確認した
{ちなみにアリの巣は結界で蓋をしてます}
ハル(穴は計3つね、とりあえずもう1箇所を閉じて……ここの穴を開けて1匹だけ出してどんなアリが出てくるか確認しましょうか)
もう1つ発見したアリの巣に蓋をし、目の前にあるアリの巣の蓋を開けた
するとそこから赤い体に緑色の斑点模様のアリが飛び出してきた
ハル《このアリって私の気のせいじゃないなら侵略アリだよね?》
『拘束』
ピクシー《はい、見間違いでもなく勘違いでもありません、間違いなくジャイアントインヴェージョンアント、通称侵略アリですね》
ハル《はぁ……やっぱりそうだよね……めんどくさい、超めんどくさい!》
ジャイアントインヴェージョンアント、通称侵略アリと言われる体長5mほどある巨大なアリ、見た目は赤色の体のアリでジャイアントアントに似ているが、赤色の体に緑色の斑点があるのが特徴だ。
侵略アリは名前の通り、地面の下に巨大な巣を作り自分達の領土を広げていき、放っておくと国全域の地下全てを巣に変えることもある。
しかも侵略アリは繁殖力が凄まじく、1週間足らずで10万程の巨大な群れを作り上げる。
そのため1体でも見つけた時点で早急に駆除しないと大変なことになる
ハル《これはやっぱり吹き飛ばす方が楽かな?》
ピクシー《ですね、前回森の調査をした際には見かけていなかったということは少なくとも2日前からここに巣を作っていたということになります、なので最悪この森全体が侵略アリの巣になっている可能性がありますね》
ハル《……よし、色々考える前に巣の規模を確認しよう》
『空間認識』
今度は地面に向かってスキルを使った
ハル《森の一回りくらい大きいくらいの広さで深さが50mくらいの巣を作ってる》
{この森は東京ドーム5個分くらいの広さだよ}
ピクシー《侵略アリは壁に卵を埋め込むので、この規模なら吹き飛ばすのが圧倒的に楽ですね、吹き飛ばすならできるだけ早いうちにやっておいた方がいいでしょう、早くやらないとさらに広がることになります》
ハル《そうだよね、めんどくさいけどやりますか!》
そしてハルはアリの巣の駆除に取り掛かった