509話 説明を受ける③
509話 説明を受ける③
次の工程を始めた
バンカラ「次は素延べの工程だ、さっきも軽く説明したが素延べってのは作りたい剣の長さまで鋼を伸ばし、切っ先と柄を付けるための 茎 なかご を作るんだ」
カミル「茎ってなんですか?」
バンカラ「ワシの作業を見ながら聞いてくれな」
炉に入れていた鋼を取り出し叩き始めた
バンカラ「剣ってのはほとんどが剣身と鍔と柄の3つに分かれるようになってる、それはみんな知ってるだろ?」
カミル「はい」
バンカラ「なら早い、まぁ剣使ってりゃわかるよな。茎ってのは簡単に言うと柄と剣身をくっつけるための場所だ」
カミル「あの細いとこですか」
バンカラ「そうだ、とりあえず伸ばす工程だから後でな」
そう言ってバンカラは鋼を叩いては熱して叩いては熱してを何度も繰り返し、先程まで20cmほどしか無かった鋼の塊が今では幅約5cmの長さが1m10cmまで伸びていた
バンカラ「よし、ここまで伸びたら次に移る」
伸びたものを見せ、今度は先端の方だけを炉へと入れていた
ルンカル「簡単に伸びるんですね」
バンカラ「見た目だと簡単かもな、まぁ後でやらせてやるから自分で体験して感じてみろ」
ルンカル「分かりました」
バンカラ「じゃあ次な、次は切っ先を作っていく」
カミル「どうやって作るんですか?」
バンカラ「作り方は簡単だ、先の端を斜めに切って先を三角にするんだ、その後に軽く叩いて形を調節する」
カミル「切る!?叩いて形を作るんじゃないんですか?」
バンカラ「そうだ、もちろん叩いてやることも出来る、だが数を作るのに楽なのが切る方なんだ、だから切るんだ」
カミル「量産のためですか」
バンカラ「それだけじゃないが、まぁ楽するためだな」
カミル「なるほど」
「それだけじゃない」の所を聞いてカミルは考え込んでいた
バンカラ「考えるのはいいがちゃんと見とけよ」
カミル「あ、はい」
バンカラ「じゃあ始めるぞ、誰かすまんがここを持って支えてくれるか?」
鋼の棒の熱した方は金床へ乗せ、乗せた方のは反対側を持って貰えるように頼んでいた
ルンカル「熱くないんですか?」
バンカラ「こっち側はとっくに冷めとるわ、だから安心しろ」
ルンカル(バンカラさんはこう言ってるけど、この人手袋してるんだよな)
「なんか怖いんで俺は遠慮します」
カミル「じゃあ僕も遠慮します」
(ベルドならどうなっても大丈夫でしょ)
バンカラ「そんな怖いか?まぁ怖いならそれでいい、じゃあベルド頼んだぞ」
ベル「わかりました」
そう言ってベルは言われた通りに鋼の棒を支えた
バンカラ「切るにはこれを使って切る!」
カン!カン!カン!
カン!カン!カン!
バンカラ「ここまで切れたらあとは簡単だ、切れ込みを入れた外側の部分を水につけて一気に冷ましてやって」
シューブクブクブク
バンカラ「冷めたらちょいって叩いてやると」
カン! カラン
カンカン コロン
バンカラ「そしたら簡単に取れる」
ルンカル「硬いのにこんな簡単に取れるんですね」
バンカラ「まぁな、とりあえずまだ熱いからちょっと置いて冷ましてから次の茎を作るぞ、その間気になることがあれば聞いてくれ」
ここまでで気になることがないか聞いてきた
カミル「じゃあ1つ、さっき切っ先を切るのに使った道具って何なんですか?」
バンカラ「…これのことか?」
切るのに使った道具を見せてきた
カミル「はい」
バンカラ「別にこれ特別な道具ってわけじゃねぇぞ?」
カミル「そうなんですか?」
バンカラ「そうだ、これは棒に適当な鉄の薄い板をくっ付けただけのガラクタみたいなもんだぞ?」
カミル「そんなもので切れるんですか?」
バンカラ「鋼を熱してたら切れるぞ?例えるなら切れ味の悪い包丁でも力で押さえたら切れるだろ?それと同じだ、上に薄いものを置いて叩いたら案外鋼でも簡単に切れるもんだぞ」
カミル「特別な道具か何かだと思ってました」
バンカラ「まぁ切る用の魔法具とか使えばもっと簡単に行くかもな」
カミル「そうですね」
バンカラ「他にはあるか?」
次の質問を聞いた
ルンカル「じゃあバンカラさんが鍛冶師をやってる理由ってなんなんですか?」
バンカラ「そんなこと聞きたいのか?」
ルンカル「はい」
そう言うルンカルはとても真剣な目をしていた
バンカラ「ワシが鍛冶師をやってる理由か……ワシは見て分かると思うがドワーフだ、だからワシの親父もドワーフな訳だが、親父が鍛冶をしてる姿がカッコよくてな、それを見てワシもやりたくなって、今もやってるってわけだ。面白くないだろ?」
ルンカル「はい」
バンカラ「お前が聞いておいてそれは無いだろ」
つまんなそうな答えたルンカルの言葉にバンカラは笑いながらツッコミを入れていた
その後も少しの間、質問を聞いていた
色々短縮してるけど伝わっているのか?