512話 早々に失敗
512話 早々に失敗
あれからもう少し話している間にバンカラは折り返し鍛錬を終わらせていた
バンカラ「折り返しが終わったから体験開始だ、準備しろよ」
ベル「できてます」
バンカラ「まずやるのは伸ばす作業だ、とりあえず合図したら思いっきり叩いてみろ」
ベル「思いっきりですか?」
バンカラ「そうだ、ワシがやってるのを見たら感じないかもしれないな、だけど鋼ってのは熱しても硬いもんは硬い、だから思いっきり叩けよ」
ベル(ほんとに大丈夫かな?)
「分かりました」
バンカラ「よし……もうちょいだ」
ベル「はい」
返事をして待っていると
ピクシー《絶対ダメですからね?》
ベル《ダメなの?》
ピクシー《当たり前じゃないですか、思いっきりなんて叩いたら爆発しますよ?》
ベル《制限付きでも?》
ピクシー《できあがった剣ですら制限付きで思いっきり振ると曲がるんですから、熱して柔らかくなってると尚更大変なことになりますよ》
ベル《そっか、とりあえず軽く叩いてみるよ》
バンカラ「じゃあ行くぞ……とりあえずどこでもいいから叩いてけ」
炉から熱した鋼を取り出し、金床へとのせた
ベル「じゃあ叩きますね」
そう声をかけてベルは金槌を振り上げ、制限をかけている状態の半分くらいの力で金槌を振り下ろした
カン!
ベルの振り下ろした金槌と鋼のぶつかる音が工房中へ鳴り響いた
パラパラ
バンカラ「……どんな力してんだよお前」
ベルの持つ金槌は持ち手だけの状態になっており、バンカラはそれを見て放心状態になっていた
ベル「これでも抑えたつもりなんですが」
(まさかこんなにもろいとは思ってなかった)
バンカラ「馬鹿言え!本当に抑えられてるのなら金槌は砕けてねぇよ!」
ベルのその言い訳にバンカラは勢いよくツッコミを入れていた
ベル「とりあえず直しますね」
『修復』
砕けた金槌を元の形へと修復した
バンカラ「直せるのかよ………まぁいい、再開するが、お前はできるだけ力を抑えろ、じゃないと金槌もだが鋼も砕けちまうからな」
ベル「分かりました」
バンカラは考えることを放棄し、ベルの力で叩かれた鋼の状態を確かめていた
バンカラ「これなら大丈夫そうだな、続けるぞ」
状態を確認し、問題ないことがわかったため再度炉へと入れた
{ベルが叩いたことにより、鋼には1cm程の金槌の跡ができていたよ}