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521話 想定外のこと

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521話 想定外のこと

あれから適当に物を取り出して少しした頃

ベル「これは転移門の鍵でしょ?それからこれが予備の制御用のブレスレット、それからこれが緊急用の転移石」

一気に色々机へと出していった

テレス「ブレスレットは何か知ってるけど、転移門のカギと転移石は今まで聞いたことないんだけど」

ベル「あ、知らない?」

「意外!」とでも言うようにそう言った

テレス「うん、見たことも聞いたことも無い」

ミーファ「私も」

レミア「これはほんとに知らないかも」

ハンク「そもそも俺はさっきからほぼわからんのだが?」

今日ここまで出てきたもののほとんどがハンクだけ分からないものが多かった

ベル「まずこの転移門の鍵っていうのは、4階の階段の横の変な位置に扉あるでしょ?」

テレス「…うん、確かにある。その扉を開けるのにこの鍵が必要なの?」

ベル「そう、この鍵がないの何をしても開けられないよ」

テレス「このお城でそんなにがっちりしておる場所ってそんなにないよね?なのに鍵まで付けるってことは、その部屋ってそんなに大事なの?」

不思議そうにしていた

ベル「大事だね、だってミラくんとヘングルくんの通学路だし」

テレス「じゃあ学園に繋がってるの?」

ベル「そういう訳じゃないけど、一応マーベルドの王都には繋がってるよ」

テレス「じゃあどこに繋がってるの?」

ベル「それはまだ内緒」

口の前に人差し指を立ててそう言った

テレス「ならいいや、じゃあこっちの緊急用の転移石ってのは何に使うの?」

ベル「これはこの石を叩き割ることで指定の場所に転移できるやつ」

テレス「なんのために?」

ベル「俺が行けない状況で、しかも誰かが危険になった場合にこの石を渡してすぐに安全な場所に行けるようにするためだね」

テレス「どこに繋がるの?」

ベル「まだ指定してないよ、この石を使わないといけない状況になった時に転移先を指定して渡す」

テレス「じゃあ今はただの石なんだね」

ベル「まぁそうだね」

それからもどんどんと仕分けていった

ベル「ん?…なんだ?これ」

そう言って空間収納から1つの指輪を取りだした

ベル「……マジでなにこれ、見たことないんだけど?」

手に持った状態で、頭に?を浮かべながら色々な角度から謎の指輪を見ていた

テレス「知らないものが入ってたの?」

ミーファ「ベルくんが自分で入れたはずなのに覚えてないの?」

レミア「知らないもの?」

ハンク「なんで覚えてないんだよ」

色々とツッこまれていた

ベル「覚えてないって言うか、そもそもこんなもの入れた記憶すらないんだけど」

《ピクシーは知ってる?》

ピクシー《分かりますよ?》

ベル《どこで取った物なの?》

ピクシー《それはEX迷宮の90階層のボス部屋前の扉の横に立っていた石像に付けられていた指輪ですね》

ベル《そんなのあったっけ?》

何も覚えていないようだ

ピクシー《はい、ボス部屋前だったので何も確認せずに回収だけしてそのままの物ですね》

ベル《そうなんだ、それなら覚えてないわけだ》

テレス「どんなのか見てもいい?」

ベル「うん、いいよ」

ピクシー《あ、それは!》

ピクシーの言葉を聞く前にテレスに指輪を手渡してしまった

指輪がテレスの手に触れた瞬間に輝き始めた

テレス「なにこれ!?」

ベル「みんな大丈夫!?」

(鑑定するの忘れてた!)

とりあえず4人の状態を確認した

テレス「私は大丈夫よ」

ミーファ「大丈夫よ!」

レミア「大丈夫!」

ハンク「眩しいけど問題ない」

少しして輝いていた指輪の光が収まった

テレス「急に光出したのはびっくりしたけど、なんともないなら良かった」

ベル「そうね、ベルくんは大丈夫?」

テレス「俺は大丈夫だけど…………って、あれ?」

ベル「え?」

ベルとテレスは目をパチパチさせながら互いに?をうかべていた

テレス「…なんで俺がいるの?」

ベル「どうして私がいるの?」

お互いに困惑した表情で見つめあっていた

ミーファ「何言ってるの?さっきまでと何も変わらないベルくんとテレスだよ?」

レミア「眩しい光で目がおかしくなっちゃったの?」

ハンク「何言ってんだ?いつも通りだろ?」

他の3人はこう言っているが

テレス「絶対違う、魔法もスキルも何も使ってないのになんでここに俺がいるの?」

ベル「私も何もしてないよ?そもそも私はそんな魔法使えないし」

2人で首を傾げていた

レミア「……なんか2人とも話し方逆じゃない?」

ミーファ「言われてみればそうね、ベルくんがテレスみたいな喋り方してて、逆にテレスがベルくんみたい」

ハンク「やっぱ変だよな」

3人はなにかに気がついたようだ

テレス「どういうこと?」

ベル「何か変かな?」

2人は未だ何が起こったのか分からないようだった

レミア「じゃあベルくん手を挙げてみて」

テレス「はい」

そう言ってテレスが手を挙げた

レミア「じゃあ今度はテレスが手をあげて?」

ベル「はい」

そう言ってベルが手を挙げた

レミア「やっぱりそうだ、2人とも逆になってるよ?」

テレス「逆?……じゃあ俺とテレスが入れ替わってるってこと?」

ベル「入れ替わってるの?」

テレス「原因は間違いなくあの指輪だよね、とりあえず鑑定してみる」

『鑑定』

しかし何も起こらなかった

テレス「あれ?」

『鑑定』

しかも何も起こらなかった

テレス「鑑定が使えない」

ベル「どうして?いつも使ってるよね?」

テレス「うん、いつもなら問題なく使えてるよ?だけど今は使えない」

レミア「……あ!もしかしたら体が入れ替わってるから使えないんじゃない?いつものベルくんの体なら使えても、今はテレスの体だから使えないのかも」

テレス「…でも魔法とかスキルは魂に付与されてるから、仮に魂が入れ替わっていたとしたら使えるはずなんだけど?」

レミア「そこまでは分からない、だって私もそれっぽいこと適当に言ってるだけだもん」

テレス「そうだよね、ごめんね」

素直に謝っていた

レミア「それはいいんだけど、男の子の体と女の子の体で入れ替わってるけど大丈夫なの?」

体のことを心配していた

テレス「ぎゅっと体を押さえつけられてるような感覚かな」

ベル「今は座ってるからいいんだけど、ちょっとでも動いたら周りが吹き飛びそうな感覚、だから動いたらヤバそう」

テレス「テレスはほんとに動いちゃダメだよ、その体で無闇に動いたら周り全部吹き飛ばすから」

真剣にそう言った

ベル「じゃあじっとしておくね」

テレス「うん……あ、さっき制御用のブレスレット見せたでしょ?あれが手の中のあるイメージしてみて、そしたらそのブレスレット出てくると思うから」

ベル「わかった」

テレスは目を閉じてイメージした

ベル「あ、出てきたよ」

テレス「それをどっちの手でもいいから付けておいて、そしたら動いても大丈夫」

ベル「わかったわ」

右手につけた

テレス「とりあえずテレスはこの指輪を鑑定してみてくれない?」

ベル「いいけど、どうやってやるの?」

テレスは鑑定を使えないため、使い方がわからないようだった

テレス「鑑定したいものに意識を向けながら鑑定って唱えるだけ」

ベル「わかったわ」

『鑑定』

そうすると視界内に鑑定結果が表示された

ベル「こんな感じなんだ……いっぱい出てきたけど、どうしたらいい?」

テレス「名前と効果を読んで俺に教えて」

ベル「わかったわ、名前は入れ替わりの指輪って書いてあって、効果はこの指輪に最初に触れた人物と2番目に触れた人物の精神を入れ替える、入れ替わる期間は1日、期間中はあらゆる解除効果を受け付けない、だって」

テレス「ということは、俺達は本当に入れ替わっていて、この入れ替わりは24時間治らないってことか」

効果を聞いて納得していた

ベル「効果を見た感じはそういうことよね」

テレス「ほんとにごめん、俺がちゃんと鑑定して効果を見ておけばよかった」

本当に申し訳なさそうに手を合わせて謝っていた

ベル「大丈夫よ、そもそも何か分からないのに私が安易に見せて、なんて言っちゃったからこうなっちゃったわけだし」

テレス「テレスは何も悪くないよ、俺が何も考えずに渡したからこうなったわけだし、どうしよう?」

(それにピクシーが止めようとしてたっぽいけどもう遅かったし、ピクシーが俺の心の声を読んでくれたらいいんだけど)

ピクシー《ちゃんと聞こえていますよ?》

テレス(やった!……でもどうして?)

ピクシー《入れ替わりが発動した時点ですぐに対策致しました、なのでテレス様がマスターの体で暴れることはありません。そして私の声はもちろんマスターの声もテレス様には聞こえないようにしています》

テレス(なら良かった、どうするのがいいと思う?)

ピクシー《まずはエイル様に助けを求めましょうか、現状マスター本人の体は使えません、なのでエイル様に頼りましょう》

テレス(それもそっか、って言いたいんだけどその部屋に今の俺はいれないんだけど)

ピクシー《ですよね、なのでハデス様を探してください。ハデス様ならエイル様のいるお部屋に入れますから》

エイルが普段いる部屋は外界から隔離されていて、転移が使えない人はそもそも入ることすら出来ないようになっている。部屋が隔離されている理由は、あらゆるものを管理するための資料の内容が外部に漏れないようにするためです

テレス(わかった、どこにいるかわかる?)

ピクシー《いえ、現状マスターの体は暴走しないようにほぼ全てのスキルや魔法を封じている状態です。私はマスターの能力を使って色々とやっているため、現状は感知などは一切できません》

テレス(そっか、じゃあ話すことだけはできるってことね)

ピクシー《今はですね》

テレス(え?なにかダメな感じ?)

ピクシー《はい、今は念話を繋ぐ形でマスターと会話をしていて、なおかつマスターの体は暴走しないように能力を制限しています。なので魔力などがかなり低下している状態なのでこの部屋から出たら私の念話が届きません》

テレス(じゃあ部屋から出たら俺1人でハデスを探さないといけないってこと?)

ピクシー《そういうことになります》

テレス(わかった、俺はエイルのところに行くから、ピクシーはみんなを見ておいて)

ピクシー《わかりました》

テレス「みんなはここで待っててくれる?」

ベル「どこか行くの?」

テレス「この入れ替わりが何とかならないかハルさんに聞いてくるよ」

ベル「でもどこにいるか分からないでしょ?私達も行った方がいいんじゃないの?」

テレス「大丈夫、テレスはブレスレットあるとはいえ俺の体だから何が起きるかわからないの、だからゆっくりしてて」

ベル「……わかったわ」

少し考えて渋々そう答えていた

テレス「ミーファとレミアとハンクは俺の体だと大変だと思うからテレスの手助けをお願いね」

ミーファ「わかったわ」

レミア「ベルくんは大丈夫なの?本物の女の子の体だよ?」

ハンク「何ができるか分からないけど、任せろ」

テレス「女の子の体でも同じ人間の体だから多分大丈夫だと思うけど」

ベル「私の体で変なことしちゃダメだからね!」

テレス「俺がそんなことするわけないから安心して」

ベル「絶対だよ!トイレもダメだからね!」

テレス「わかってるよ。あと、この部屋なら何してもいいからね」

そう言って部屋を出た

この時のベルはまだ、この後大変なことになるとは思いもしていなかった

わかりにくいと思うので補足しておきます

効果が発動してからベルと名前の書かれたところテレスになっていて、逆にテレスと書かれたところがベルになっています。

こんな感じです ︎ ︎

ベル「ここにテレスの精神が入ってます」

この名前通りです

テレス「ここにベルの精神が入ってます」

てな感じなってます

セリフの間のナレーション?の部分では精神の名前で書かれています、なのでナレーション?の部分は入れ替わっていません