531話 魔力回路の付与に挑戦
531話 魔力回路の付与に挑戦
魔力回路の付与を開始した
ベル「魔力回路を付与する詠唱ってどんなものなんですか?」
マグメル「そういえばまだ教えてなかったね、詠唱は。道を描け、力よ流れ、巡りてここに宿れ。っていうこれだけ」
ベル「詠唱って聞くと長そうなイメージですが、これは意外と短いんですね」
マグメル「まぁそうね、確かに普通の魔法に比べたらかなり短い、だけどこの魔法の効果だとこの程度の長さなのも納得でしょ?」
ベル「確かにそうですね」
マグメル「そういうこと。じゃあ実際にやってみて」
ベル「わかりました」
(魔力回路を付与したい場所に魔力を流しながら)
『道を描け、力よ流れ、巡りてここに宿れ』
手に持っていたスピンドルの中心に魔力を流し、教えられた通りに声を出して詠唱を唱えた
ベル「どうですか?」
魔力回路付与の工程を終えたものをマグメルに見せた
マグメル「どれどれ〜…」
手渡されたスピンドルを目を凝らして細かく見ていた
マグメル「……完璧。初めてでよくここまでできるね」
少し呆れたようにそう言っていた
ベル「普通はこんな簡単にできないんですか?」
マグメル「いや、付与自体は初めてでも誰でも出来るの、魔力さえ流しておけばそこが魔力回路になるからね。普通は初めてだと回路が歪んたりしてることの方が多いの、だけどあなたのこれは寸分の狂いもない真っ直ぐで綺麗な魔力回路なの、このレベルはひと握りのプロにしかできない芸当よ」
ベル「そうなんですね」
無関心に答えていた
マグメル「……凄いことなんだからもう少し感動してもいいと思うんだけど」
ベル「あ、すごいですねー……」
マグメル「……」
(本当に感動してるの?)
ベルの言葉を聞き、マグメルは何かを諦めたような表情をしていた
マグメル「はぁ……まぁいいわ。魔力回路が付与出来たら、今度はスピンドルの底にくっつける魔法陣を書くよ」
ベル「その魔法陣の形は?」
マグメル「ちょっと小さいけどこれ」
そう言って先程作って見せてくれた魔道具に着いていたスピンドルの底を見せてくれた
ベル「これですね、わかりました」
魔法陣を確認して直ぐに描き始めた
ベル「出来ました、これでいいですか?」
マグメル「…だから早いんだって」
ベルが魔法陣を確認してから出来上がるまで、わずか5秒しかかかっていない
ベル「簡単ですから」
マグメル「そう、まぁいいけどさ。とりあえずこれで大丈夫かな、あとはさっき作った本体とこのスピンドルをくっ付けたら完成!」
ベル「やったー」
そう言うベルの声にはほぼ感情はなく棒読み状態だった
マグメル「嬉しくないの?」
ベル「まぁ……はい。この程度なら教えられなくても自分で作れますから」
マグメル「え?……作れたの?」
ベル「はい、ある程度のものならなんでも作れますよ?」
さらりと答えていた
マグメル「一応言っておくけど、魔道具の製作ってそんなに簡単なものじゃないからね?何か秘訣でもあるの?」
ベル「そこは企業秘密です」
(まぁピクシーの助けを借りて作るんだけど)
マグメル「企業秘密って…そんなにすごい技術なの?」
ベル「さぁ?どうでしょね」
マグメル「本当に秘密にしなきゃいけないほどの技術なの?」
半信半疑でそう聞いてきた
ベル「そういうわけじゃありませんよ、ただ俺にしか使えないから企業秘密ってだけです」
マグメル「あなたにしか使えないの?」
ベル「ですね、言っちゃうと俺の固有スキルです」
マグメル「あらそうなの?」
ベル「はい」
マグメル「じゃあ残念、その固有スキルって、どういう風に発動するの?今この場で見ることは出来る?」
プロとしての魂なのか、マグメルはそのスキルについて詳しく知りたいようだった
ベル「できません、なので諦めてください」
マグメル「そっか」
固有スキルについて何もしれなかったため気を落としていた
マグメル「固有スキルについて聞けないなら、あなたが今日ここへ来た理由を教えて?既に自分で作れるならここへ来る理由はないんじゃない?」
ベル「1つありますよ」
マグメル「教えて?」
ベル「俺が見せる魔道具を作れるかどうかを聞きたいんです」
マグメル「……それは私を試すため?」
真剣にそう聞かれた
ベル「全く違います、経緯だけ先に話していいですか?」
マグメル「わかった」
話を始めた