532話 魔道具を作るお願いをする
532話 魔道具を作るお願いをする
ベル「まず昨日、俺は鍛冶の体験に行きました」
マグメル「随分と話が飛んだね」
ベル「これが大事なんです。この鍛冶の体験の時に鉄を打つには炎の温度が大事って教わりました。ですが、その温度を見るには炎の色とか音とかの感覚で判断するしかないみたいなんです。その結果、職人の育成がかなり難しいと聞きました。なので、俺は炎の温度がわかるように温度を測るための魔道具を作って渡そうとしました。ですが、俺が直接関わったらそこだけを重視してると思われても嫌なので、ここにお願いしに来ました」
マグメル「……なるほどね。要約すると、あなたが直接渡してしまえば、それは国からの援助と見なされるかもしれない。だから私達にその魔道具を作って売って欲しいってこと?」
ベル「そういう事です。この方法なら面倒な争いもなくなり、鍛冶師達が温度計を誰でも買えるようになる。その結果、みんな幸せ」
マグメル「言い分はわかったわ。とりあえずその温度計とやらを見せてちょうだい、話はそれから」
ベルが「わかりました」
そう言って昨日の夜中に作っておいた温度計を空間収納から取り出して、温度計を見せた
{正確には今日の午前4時あたり}
ベル「これです」
渡した温度計はいわゆる非接触温度計と言われる物を魔道具化させたものだ
マグメル「これね……使い方は?」
渡されたものを角度を変えながら観察し、その後に使い方を聞いた
ベル「まず… ここ グリップ を持ってもらって、次に温度を測りたいものに向けます。最後に人差し指のところにあるトリガーを引いたら温度が測れますよ」
マグメル「なるほどね、例えばどんなものを測れるの?」
ベル「例えば、わかりやすいのだと体温とか、もちろん本来の目的である炎の温度とかも測れます」
マグメル「なんでも…ね、試してもいい?」
ベル「はい」
マグメル「向けるのはどこでもいいの?」
ベル「はい、先に着いている魔法陣が測るものにしっかり向いていればどこでも構いません」
マグメル「わかった」
そう言ってマグメルは自分の腕に温度計を向け、トリガーを引いて温度を計測した
マグメル「やったけど、どうやったら温度がわかるの?」
ベル「手で持っているところの上を見てください」
マグメルはトリガーを引くだけ引いて温度計を全く見ていなかったため、確認するように言った
マグメル「…ほんとだ、36.8℃って文字が浮かび上がってる」
温度計の上のところにホログラムのように文字が浮かび上がっていた
マグメル「この文字は?」
ベル「それが今測れた温度です。その文字自体は触れませんが、文字が光っているので認識しやすく、暗い場所なんかでも見ることができますよ」
簡単に説明をした
マグメル「なるほどね、じゃあ36.8℃ってのが今の私の体温ってこと?」
ベル「はい」
マグメル「これって、風邪をひいて熱が出た時とかも使えるの?」
ベル「使えますよ。熱が出た時はだいたい37.8℃以上ですかね」
マグメル「…なら鍛冶師達だけじゃなくて治療院とかでも使えるわね」
独り言を呟きながら、この温度計の使い道を色々と考えていた
{ちなみに治療院とは教会にある治療を受けられる施設の名前、いわゆる異世界の病院だよ}
マグメル「他にも薬の調合も温度が大事らしいからそこでも使える……うん、利用価値はかなりありそうね。あなたこれを私達に作って欲しいのよね?」
ベル「はい、その為に見せてますから」
マグメル「そうよね、かなり実用的で色々な場面で使えるから価値はある。でも見た感じかなり複雑そうだから作れるか分からないよ?それでもいい?」
ベル「はい、最悪俺の方で作って持ってくるので、ここで作ったことにして売ってくれればいいです」
マグメル「そう……いいのか分からないけど、構造とか確認したいからバラしてもいい?」
ド直球に聞いてきた
ベル「いいですよ、バラバラにして細かく見てください」
マグメル「わかったわ。ただ、今が職業体験中で忙しいから、構造とか確認するのが遅れて結論を出すのが遅れるかもしれない。それでもいい?」
ベル「もちろん大丈夫です。余裕のある時で構いませんし、難しかったら声をかけてください。それと、もしできそうなら、簡単な試作品を見せてもらえると嬉しいです」
マグメル「わかったわ。試作品を作ったら確認してもらうわね。実際に使ってみて改善点があれば教えてちょうだい」
ベル「わかりました、お願いします」
そうして作ってもらいたい魔道具の話が終わった