番外編 (クリスマス) 中編
番外編 (クリスマス) 中編
会場の準備を終えたベルはうずうずしながら、普通の人が起きて活動を始めている午前10時まで待っていた
ピクシー《時間的にそろそろいいでしょう。マスター、もう招待状を渡しに行っても大丈夫ですよ》
ベル《よし、行こう!》
待つ時間を考えないようにするために、いつものようにぬいぐるみを作って待っていたのだが、ピクシーの言葉を聞いて手に持っていた針や布などをその場に放り投げた
ベル「まずはテレスのところへ!」
〔テレス、今から城へ行くからテレスとテレスの家族を呼んでおいて〕
テレス〔なんかテンションが高そうだけど、急にどうしたの?〕
ベル〔ちょっと話があるから集めておいてくれる?〕
テレス〔?よく分からないけど、わかったわ〕
ベル〔うん、お願いね〕
まずはテレスのところへ行くことを伝えた
ベル(次は)
〔ミーファ、ちょっとしたらミーファの家に行くから、ミーファとミーファの家族を集めてくれる?〕
ミーファ〔なにかするの?〕
ベル〔ちょっとね、お願いできる?〕
ミーファ〔いいけど、いつぐらいに来るの?〕
ベル〔今からテレスのところに話に行くから、それが終わったら行くよ〕
ミーファ〔テレスのところもってことはなにか企んでるのね?〕
ベル〔まぁ、そんなとこ。だから待ってて〕
ミーファ〔わかったわ、来る時に教えてね〕
ベル〔はーい〕
その後も同じようにレミアのところ、それからベルの家族のところへも同じように連絡をしていた
ベル(そろそろいいかな)
『マーベルド王城へ 転移』
連絡してから10分ほどが経過した頃、マーベルドの王城内へ直接転移した
それからベルはテレス達の待つ場所へと向かった
ベル「という訳で、集まってくれてありがとうございます」
テレスの待つ部屋へと入って早々にそう言って頭を下げた
ボルト「お前が頭なんて下げるなんて珍しいな」
ベル「相手の予定を何も聞かないで急に集まって、なんて言ったから一応ね」
テレス達の座る机を挟んだ対面へ座った
テレス「それで集まってもらったけど、何をするの?」
ベル「早速だけど、25日の夜にクリスマスパーティーをやることにしたので招待状を届けに来ました」
この場にテレス、ボルト、サナ、アマリアの4人がいたため、4つの招待状を机へと置いた
テレス「時期的にこれかな?って思ってたけど、予想通りそうだった」
テレスは「やっぱりね」と言う表情をしていた
ボルト「招待するならさすがにもう少し早くしてくれ、俺達にも予定があるんだぞ?」
ベル「それはごめん、そもそもやろうって決めたのが昨日だから、仕方ないよ」
ボルト「お前のその行動力は一体どこから来てるんだよ」
ベル「子供の喜ぶ顔?」
真剣な表情でそう答えた
ボルト「ハッ!お前なら有り得そうだな」
ベル「来れそう?」
ボルト「全然大丈夫だ、今年はアマリアもいるから、さっさと仕事を終わらせてのんびりできるようにしたんだ、だから当然参加させてもらうぞ!」
ベル「そう、なら良かった。今回は使用人とその家族も参加できるようにしてるから、しっかり全員に伝えておいてね」
ボルト「相変わらず規模がデカイな」
ベル「それから孤児院の子供達も当然参加するからね」
ボルト「あぁあの子達か、全然大丈夫だ」
ベル「それから今回は俺達の空間と、使用人達の空間は別で作っているからそれも伝えておいて」
ボルト「前は確か一緒だったよな?それは辞めたのか?」
ベル「はい、俺のところの使用人ならともかく、他所の使用人は主人と共に食事をすることに抵抗があることに、前回のパーティーを見てわかりました」
ボルト「そうか、言われてみれば確かに食べるのを躊躇っていたような気がするな」
ベル「はい、なので今回は別の空間を作りました」
ボルト「そうか」
ベル「子供達に関しては俺達のいる空間と使用人達のいる空間を自由に行き来できるようにしています」
ボルト「わかった、他に何かあるか?」
ベル「あとは今回は特別にお酒とかも出します」
ボルト「それは楽しみだな!」
ボルトはお酒と聞いて一気にテンションが上がっていた
ベル「ただし!もし子供達に迷惑をかけた場合、強制的にアルコールを抜いて、寒空の下30分の間、外へ締め出しますから覚悟してください」
ボルト「頭を冷やせってか?」
ベル「そういうことです」
ボルト「わかった、楽しみに待っておくよ」
ベル「はい、服装はいつものように自由ですが、特別なパーティーなので存分に着飾ってください」
ボルト「わかった」
ベル「じゃあまだ行くところがあるのでこれにて失礼します」
そう言ってベルが席を立とうとすると
アマリア「それって私も参加してもいいものなの?」
ベル「いいですよ?」
アマリア「私とベルド君ってあんまり、というかほとんど接点がないけど本当にいいの?」
ベル「いいですよ、前回はアマリアさんは寮にいて誘えなかったので、今回は誘えたので良かったです」
アマリア「ならいいんだけど、存分に楽しませてもらうわね」
ベル「はい、では当日の開始時間の10分前くらいに迎えに来ます」
〔ミーファ、次行くね〕
そう言ってマーベルドの王城を離れ、次にミーファの家へと向かった
ベル「お待たせしました」
タクト「大丈夫だよ、話があるって聞いたけど、何かな?」
ベル「はい、25日の夜にクリスマスパーティーをすることにしました」
机に6枚の招待状を置いた
タクト「ミーファの予想通りだな、家族全員で参加させてもらうよ」
ベル「わかりました、それから前と同じように使用人とその家族も参加できるようにしています、なので伝えておいてください。それから空間が別であることも」
タクト「前と変わらないってことは、孤児院の子供達もいるよな?」
ベル「当然です」
タクト「そうか、助かる」
ベル「助かる?」
タクト「アンナがな、またあの子達と遊びたいとうるさいんだ、だからな」
ベル「言ってくれれば、いつでも連れていきますよ?」
タクト「ベル君も忙しいだろ?だからまた今度って言い聞かせていたんだよ」
ベル「そういう事ですか、わかりました。今回は特別にお酒なども出すので楽しみにしておいて下さい」
タクト「それはいいな、その分ベル君の事だから罰が怖そうだ」
ベルが普段からどんなことをしているのかは、ミーファにより密告済み
ベル「子供たちに迷惑をかけたら、アルコールを強制的に抜いて、そのまま寒空の下で30分お外ですよ?」
ニコッと笑って伝えた
タクト「気を付けるよ、3人も気をつけるんだぞ?」
シモン「当たり前だろ?」
ミアラ「そんなヘマはしないわよ」
ミラ「私は飲まないから大丈夫よ」
アンナ「私は飲めなーい!」
ベル「シモンさんもミアラさんも当然参加できるので是非来てくださいね」
シモン「もちろん行かせてもらうよ!楽しみに待ってるからな!」
ミアラ「どうしてわざわざ言うの?」
ベル「ここへ来る前にテレスのところに行ったんですが、その時にアマリアさんに私も参加していいの?って聞かれたので」
ミアラ「そういう事ね、もちろん参加させてもらうわね」
ベル「はい、美味しい料理を作って待ってます」
ミアラ「あなたが作るの?」
ベル「はい、パーティーをする際は全て俺が作ってます」
ミアラ「ミーファから凄いとは聞いていたけど、本当にそうなのね」
ベル「どう聞いているのかは知りませんが、基本はなんでも出来ます」
ミアラ「みたいだね、私も楽しみに待っているわね」
ベル「お待ちしてます、来る際は是非豪華なドレスなどを着てきてください」
ミアラ「わかったわ」
ベル「俺はまだ行くところがあるので失礼します、当日の開始時間の10分前に迎えに来ますね、では」
〔レミア、今から行くね〕
そう言ってミーファの家を後にした
そして、すぐにレミアの家へと到着した
フォルス「よく来たね、今日はどんなお誘いかな?」
ベル「今日はクリスマスパーティーのお誘いに来ました」
先程までと同じように招待状を机へと置いた
フォルス「わかった、参加しよう」
ベル「わかりました、もちろん使用人とその家族も招待し、今回は俺達の空間と使用人用の空間は分けることにしました」
フォルス「わざわざもう1つ部屋を作ったのかい?」
ベル「はい、前回のパーティーで使用人が食べるのを躊躇っていたので、今回は分けることになりました」
フォルス「それなら最初から呼ばない方がいいんじゃないの?」
ベル「それでもいいんですけど、俺達が楽しそうにパーティーを満喫しているのに、使用人が参加できないのは悲しいですからね」
フォルス「そう、それでこそベル君だよね」
1人で納得していた
ベル「という訳で良ければ来てくださいね。服装は自由なので、ぜひおしゃれしてきてください」
フォルス「わかった、楽しみにしておくよ」
ベル「詳細は招待状に書いていますが、パーティーは25日の夜で、その際は、開始時間の10分前に迎えに来ます」
フォルス「その時に使用人も一緒に居ればいいんだね?」
ベル「はい。俺はまだやることがあるのでこの辺で失礼します、では」
レミアの家を離れ、続いてはベルの実家へと向かった
ベル「はいこれ、クリスマスパーティーの招待状」
タレス「もう来たのか」
ベル「うん、見た感じお母さんもタルマ兄さんもいないね」
タレス「2人で朝から街に買い物に出ててな、まだ帰ってないんだ」
ベル「そう、招待状は渡しておくから、帰ってきたら伝えておいて」
タレス「わかった、気になることはこの招待状に全部書いてあるんだな?」
ベル「うん、一応簡単に伝えておくと、呼んでいる人は前のパーティーの時とほぼ一緒で、今回は使用人用部屋を別で作ってるよ」
タレス「そうか、他には?」
ベル「あとはお酒とか出す」
タレス「わかった」
ベル「最後に当日はめかしこんできてね」
タレス「わかった、良い格好で参加させてもらうよ」
ベル「うん、開始時間の10分前に迎えに来るから、それまでに準備をして待っててね」
タレス「わかった、お母さん、タルマ、レミにも伝えておく」
ベル「お願いね、じゃあ次に行くね」
タレス「あぁ、頑張れよ」
ベル「じゃあ当日ね」
『転移』
そしてベルはソルテトの王城へと転移した
ベル「パレスさん」
パレス「わあ!?…ビックリした!」
ベル「そんなに驚くとは思いませんでした、ごめんなさい」
パレス「全然いいのよ、そんなことより急にどうしたの?」
ベル「クリスマスパーティーをやるのでお誘いに来ました」
パレス「いつ?」
ベル「25日の夜ですね」
パレス「その日かぁ…ごめんね、私は参加できない」
とても申し訳なさそうに謝っていた
ベル「予定があるのなら仕方ありませんね、大丈夫ですよ」
(今更だけど、みんな来るって言ってるけど、他の予定はなかったのかな?)
パレス「ごめんね、今回は使用人とか誘うの?」
ベル「そのつもりです、お願い出来ますか?」
パレス「わかった、当日私はいないと思うけど、行く人は前と同じ部屋に集まるように伝えとくね」
ベル「今回は使用人用の部屋も作ったので、気兼ねなく来てください。それと、服装もおしゃれしてきてくださいって伝えてください」
パレス「わかった、伝えておくわね」
ベル「では、俺はまだやることがあるので失礼します」
そして、次はマーベルドにあるベルの屋敷へ向かうことにした
ベル「招待状のお届けに参りました」
ウリエル「また何か企んでいるのですか?」
ベルの少しふざけた言い回しをするのに対し、ウリエルは冷静に応じていた
ベル「ひどい!ただ招待状を届けに来ただけなのに」
ウリエル「そうでしたか、その招待状というのは?」
ベル「25日の夜にクリスマスパーティーをするの、だからみんなも来ない?っていうお誘いだよ」
ウリエル「子どもたちがとても喜びそうでいいですね、ぜひ参加させていただきます」
ベル「わかった、一応今回は俺たち用と使用人用で空間を分けてるけど、ウリエル、ハク、セレナ、ルビナは俺たちの方に来ていいからね。もちろん、ハデスも無理やり入れるから」
ウリエル(断っても諦める気はなさそうですね)
「わかりました、使用人たちに伝えておきます」
ベル「お願い、当日はもちろんその服装じゃダメだからね?しっかりおしゃれしてきてね」
ウリエルはベルが指定した訳でもないのに、何故か常にメイド服を着ている
ウリエル「わかりました」
ベル「最後に、ハクにいい子にしないとサンタさん来ないよって伝えておいて」
ウリエル「わかりました」
ベル「じゃああと1ついかないといけないから、行くね」
ウリエル「はい」
ベル「それじゃ、当日ね」
『転移』
そして最後の四葉孤児院へと向かった
ベル「みんな、集まったね?」
優しく微笑みながらそう言った
子供達「はい!」
ベル「さあ、みんな!こうやって手を出して!」
ベルは前で両手を合わせて前に出していた見せた
これから何が起こるのかを子供たちは楽しそうにしながらベルの真似をして、手を出していた
ベル「じゃあ行くよ」
『子供達の手の上に招待状があったことに 反転』パチン
ベルが指をパチンと鳴らすと、子供たちの手の上に、クリスマスらしい絵柄が描かれた封筒の、招待状が乗せられていた
子供達「なにこれ!」
突然手の中に現れた封筒。そして見た目から特別感の溢れる封筒を見て、とても子供達は興奮しているようだった
ベル「それはね、クリスマスパーティーへの招待状だよ」
子供達「クリスマスパーティー!!」
その言葉を聞いて、子供たちは喜びの声を上げ、まるでお祭りのようにワイワイと騒ぎ始めた
ベル「25日の夜にパーティーをするから、楽しみに待っていてね?」
とても優しく言った
子供達「うん!」
とても嬉しそうに返事をしていた
ベル「パーティーの日はいっぱいおめかしして、お兄ちゃんにかっこいい姿や可愛い姿を見せてね?」
子供達「わかった!」
ベル《ピクシー、今から俺がやることの補助をお願い》
ピクシー《任せてください》
ベル『子供部屋の並ぶ廊下の1番奥に、子供達用に沢山の服が揃っている空間を 作成』
ピクシーの補助を借りながら、1つの空間を作成した。
その空間は子供達用のたくさんの服が並べられた空間が広がっており、色とりどりの服が、まるでおもちゃのように並んでいて、そこで子供たちは自分の好きな服を選ぶことが出来る。もちろん全ての服にサイズ自動調節が着いている
ベル《ありがとう、働く人の方にも大人用の服が選べる空間を作っておいて》
ピクシー《わかりました》
働く人の部屋のある廊下の1番奥に大人用のクローゼットが出来上がった
それはもはやクローゼットというより、広くて種類豊富な衣服が整然と並ぶ大きなお店のようだった
ベル〔ハスラさん、子供部屋が並んだ廊下の1番奥に子供達が自由に服を選べるような空間を作っておいたから、後で案内してあげて。それから働く人の方の廊下の1番奥には大人用の服も用意しておいたから、そこから好きな物をどうぞ〕
ハスラ〔わかりました、子供達の喜ぶ姿が楽しみですね〕
ベル〔はい!〕
「じゃあ、パーティーの日までいい子で待っててね?じゃないとサンタさんが来てくれないかも知れないよ〜。当日、迎えに行くからね」
その言葉を伝えた後、ベルはゆっくりと城へと向かって歩き始めた
城へ帰る途中、すれ違った子供たちを見て、ベルは改めてプレゼントをもらって喜んでいる子供たちの姿を脳裏に浮かべた。
その笑顔を見たくて、ベルはここまで準備を進めてきた。
ベルも、そして子供たちも、プレゼントを楽しみにしていた