540話 テレス達と冒険者体験へ②
540話 テレス達と冒険者体験へ②
ベルはテレス達と別れて1人でギルドマスターの部屋へと向かった
コンコンコン
ベル「失礼します」
グラウス「今度はなんだ?」
ドルナード帝都にある冒険者ギルドのギルドマスター、グラウスは面倒そうに眉をひそめ、書類の束から顔を上げた。その声には少し嫌味な響きが混じっている
ベル「迷宮に入れる特別許可書をください」
そう言いながらラミアに貰ったものをグラウスに渡すと、すぐにメモを読み始めた
グラウス「……その3人は強いのか?」
ベル「人相手なら敵無しくらい強いけど、魔物相手だと正確にはわからない、だけど少なく見てSランクぐらいはあるよ」
グラウス「人相手には相当戦えるんだな?」
ベル「はい、訓練相手が俺ですからね」
グラウス「フッ…そうか、特別許可書は作ってやるからちょっと待ってな」
ベルの実力を知っているため、その3人もとんでもないことをさとり笑っていた
ベル「はい」
グラウスが特別許可書を作ってくれるのをおとなしく待っていた
テレス〔なんかうるさい人に絡まれてるんだけど、どうしたらいい?〕
ベル〔どうした?〕
テレス〔優しくしてあげるから俺とパーティ組もうや、って言ってる〕
ベル〔無視でいいよ、もし無理やり触られたりしたら殺さない程度に殴ってよし、冒険者ってそういうものだからね〕
テレス〔わかったわ〕
その数秒後、ギルドの1階から
ドゴォン!
という爆音が響き渡り、2階にいるベルの耳にもはっきり届いた
ベル(早いな!)
〔大丈夫?〕
テレス〔私達は大丈夫だよ、軽く殴ったつもりなんだけど、思ったより弱くて飛んで行った〕
ベル〔そう、まぁテレス達が無事ならなんでもいいよ。とりあえず受付の人が来ると思うから、言われたりされたことをそのまま話していいよ〕
テレス〔わかったわ〕
グラウス「なんだ!何が起きた!」
グラウスは驚き、手に持っていた書類を放り出して、周囲を見回しながら音の出所を探していた
ベル「その、俺が連れていこうとしている子達が冒険者に絡まれたみたいでね。もし無理やり触られたりしたら殴っていいって言ったら、こうなった」
グラウス「確かSランクくらいの実力って言ってたよな?」
ベル「そうだよ?」
グラウス「Sランクのやつに殴られてこんな音するかよ、そいつらは男か?」
ベル「いいや?普通の可愛い女の子だよ」
グラウス「そうかよ、それと自分のつれが殴られたかもとは一切思わないんだな」
ベル「思わないよ?下にいた連中にあの子たちが負ける未来が見えないし」
グラウス「そうか、修繕費はどうせ帝王のお前に請求するから俺としてはどうでもいいが、殴られてあんな音が鳴るって、その子らはやばいな」
グラウスの想定よりも、何倍も強いと感じたようだ
ベル「殴られて良かったと思った方がいいんじゃない?」
グラウス「ご褒美ってか?」
冗談を言うように言っていた
ベル「いや、魔法とか打たれたらこの辺消えるから」
グラウス「は?」
困惑しているようだった
ベル「3人いるんだけど、その子たちは前衛も後衛もどちらもできるんだよね、だからもちろん近接もある程度強い。だけどその3人は基本的に魔法特化みたいな子達だよ、だから魔法打たせたらやばい」
グラウス「具体的にどのくらいやばい?」
ベル「ドラゴンくらいなら一撃で落とすんじゃない?」
(まぁ杖とか色々使った状態でだけど)
グラウス「SSS行くか?」
少し引いていた
ベル「今回はあくまで体験だからSSでいいよ」
グラウス「まぁなんでもいいが……ほれ、これが特別許可書だ、その3人に限定されるが、どの迷宮に連れて行っても構わん」
ベル「本当は止めて欲しかったんだけどな」
少し遠い目をしながら言った
グラウス「そんなん知るか、さっさと受けとってこれ以上トラブルを起こす前にここから消えろ」
ベル「はいはい、そうしますよ。これ、ありがとね」
グラウス「はいよ、その子らが強いとは言っても、SSはかなり危険だからしっかり守ってやれよ」
ベル「もちろん、じゃあね」
そう言ってグラウスの元を離れた
ベル「フッ…派手にやったね」
テレス「だってあの人が無理やり手を掴んできたから、だからベルくんに言われた通りに殴ったよ、そうしたらこうなっちゃった」
テレスに殴られたことにより、身長が約2mはある大柄な男が吹き飛び、ギルドの扉を突き破って、ギルドの対面の建物の壁にもたれ掛かるようにして倒れていた
ベル「いい方向に飛ばしたね、これなら修理も簡単そうだ」
テレス「あっ、ごめんね」
ベル「悪いのはあいつだから気にしなくていいよ。それに、これくらい派手なほうが冒険者ギルドって感じでしょ?」
テレス「確かにイメージはそうだけど」
ベル「さ、特別許可書も貰ってきたから行こうか」
テレス「……うん」
ミーファ「行きましょ」
レミア「レッツゴー!」
そう言ってギルドを出た
ベル『扉を元の状態に 反転』パチン
「とりあえず誰もいない場所で転移するから、少し歩くよ」
扉を治し、そう言って少し歩き始めた