LNCrawler

560話 職業体験終了!

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560話 職業体験終了!

職業体験の話が始まってから、今回でちょうど100話目です

こんなに続くとは思ってなかった

盗賊のリーダーを倒し、拘束してみんなの待つ場所まで帰ってきた

ベル「こっちはどうだった?」

ハクア「思ったよりも余裕だったよ、全部ベルの最初のでかい魔法のおかげね」

ベル「なら良かった。怪我人は?」

ハクア「いたけど、レミアって子が治してくれたから心配ないよ」

ベル「そうですか、なら良かったです」

ハクア「でも、そんなことよりあなた、大丈夫だったの?あんな派手にやってたけど」

ベル「心配無用ですよ、全く問題ありません」

ハクア「ふふ、さすがSSSランクね」

ベル「相手が弱かったので」

ハクア「どう考えても弱いなんて言えないでしょ!あのソウルドラゴンがいたんだから!」

森の外からでもソウルドラゴンの巨大な姿が見えており、ハクアは驚きながら突っ込んできた

ベル「戦い方さえ分かれば、普通のドラゴンより弱いですよ」

ハクア「はぁ…次元が違いすぎるわ」

ベルの返答を聞き、ハクアは呆れたように肩をすくめ、ついには諦めたように呟いた

ベル「さぁ、戻りましょうか」

ハクア「そうね」

ベル「それから、拘束お疲れ様」

ベルは後ろでロープで縛られ、騎士チームに捕まった盗賊を見ながら、騎士チームに声をかけた

騎士「いえ、俺たちはこいつらの相手をするしかできませんから。やれることをやっただけです」

ベル「ご苦労さま、後でみんなに期待しておいて」

騎士「わかりました!」

ベルがそう伝えると、騎士チーム全員が元気よく返事をした

みんなの元へ戻る道中

ハクア「今の、何?」

ベル「ん?」

ハクア「“後で期待しておいて”って、どういうこと?」

ベル「生徒には内緒だから今は言えないけど、また今度ドルナードの城まで遊びにおいで、そこで嫌でもわかるから」

ハクア「じゃ、じゃあ、そういうことなんだね」

ハクアは言っている意味を理解したようだ

ベル「そういうこと。ここにいる白銀の吹雪以外のメンバーは全員がそうだよ」

ハクア「敬意を払おうか?」

ベル「そんなもん要らない。捨ててきて」

冗談を言うように笑っていた

ハクア「じゃあ、ソルテトに行ってるって言うのは?」

ベル「隠すための嘘だよ。もちろん、メンバーには話してもいいけど、それ以外の人、特に生徒には伝えないでね」

ハクア以外の白銀の吹雪のメンバーは、「お前ら何言ってんだ?」と言うような顔で見ていた

ハクア「了解。もし遊びに行ったら、今回みたいな高待遇を期待してもいいの?」

ベル「職験体験中に限る」

ハクア「ちぇ、ケチだねー!」

ベル「じゃあ俺がお願いしたら来てくれる?」

ハクア「私たちにできることならだけどね」

ベル「もし俺のお願いに答えてくれるなら近くにあるスターライトって宿を永久割引してあげる」

ハクア「え、そこってもしかして体験の面接の時に話してたとこ?」

ベル「そうだよ」

ハクア「仲良くするしお願いもいつでも聞いてあげる!」

ベル「じゃあ……はい、このブレスレットを持っていて、それ見せたら9割引してくれるから」

そう言ってベルは空間収納から星のマークが3つ彫られた金色のブレスレットを手渡した

ハクア「9割!?9割引もしてくれるの!」

ベル「もし俺からの信頼がなくなったら、すぐに効果が無効になるから、ちゃんと気をつけてね」

ハクア「わかってるわよ、そんな大事なこと、簡単に失ったりしないから」

ベル「ちなみに無効化したら金色から銀色に変わるから、銀色になったら俺からの信頼が消えたと思って」

ハクア「わかったわ、絶対に銀色にはさせないわよ」

受け取ったブレスレットを大事そうに見つめながら、少し真剣な表情で言っていた

ベル「もちろんそれがあれば全員割引だから気軽に遊びに来て」

ハクア「私たちSランクだから結構稼げるのよ、入り浸るわよ?」

ベル「それでも構わないけど、もしそうなったら、君たち専用の屋敷でも建ててあげるよ、もちろん有用だと感じた時にね」

ハクア「え!?太っ腹!」

そんなことを話しているうちに、みんなの待つ馬車まで戻ってきていた

ベル「この話は終わり、メンバー以外には話さないでね」

ハクア「もちろん、そんなことしたら、これが銀色になるもんね」

そう言って、ハクアと共に白銀の吹雪のメンバーは報告のため先生の元へと向かった

ベル「忘れてたけど、こいつも預けとくね」

騎士「了解しました。こちらで責任を持って護送します」

ベル「ここから先は念話以外はただの生徒と冒険者ってことでよろしく」

騎士「はい」

そう言ってベルはまずテレスたちの元へ向かった

ベル「こっちは大丈夫だった?」

テレス「ベルくん?!……良かった…」

ベルが声をかけると、テレスはすぐに飛びついてきた

ベル「どうしたの?」

テレス「だって…ベルくんがいた場所に白い透明なドラゴンがいて…心配で、怖かったんだよ…」

テレスは今にも泣き出しそうな顔をして、震える声で言った

ベル「テレスたちに、俺がああいうの相手してるところ、見せたこと無かったっけ?」

テレス「そんなの…知らないよ…」

ベル「そっか、心配かけたね」

そう言いながら、ベルは優しくテレスの頭を撫でた

ベル「2人はいい?」

後ろで自分も行きたい気持ちを抑えるミーファとレミアに声をかけた

ミーファ「私は…後でいい」

レミア「だ、大丈夫」

2人は周りの目があることを思い出し、恥ずかしさを隠すように我慢していた

ベル「そっか。テレス、一旦離れてくれる?」

テレス「嫌。もうちょっと…」

ベル「ボルトにも報告しないといけないから、あと1分ね」

テレス「それでもいい」

そのままベルはテレスに抱きつかれたまま、やることを進めた

ベル『システィーナへ 念話〔盗賊は全員確保、こちらの負傷者も全員回復されてるよ〕』

システィーナ〔今、白銀の吹雪のリーダーに聞いた通りね。わかったわ。全員が落ち着き次第、出発するわ。だから私たちは生徒たちを落ち着かせるから、あなたは国王様に状況を伝えて〕

ベル〔はい〕

念話を終えたベルは、テレスが離れるのを待った

テレス「ありがとう、もう…だいじょうぶ…」

少しの間抱きついていたテレスだったが、周囲の視線に気付き、顔を赤くしながらそっと離れた

ベル「そう。じゃあテレスもお疲れ様、結界でみんなを守ってくれてありがとう。レミアも負傷者を回復してくれてありがとう」

テレス「できることをやっただけよ」

レミア「やれることをやっただけだよ」

ベル「それでも、2人のおかげで冒険者チームが動きやすくなったのは間違いないよ。お疲れ様」

ベルは穏やかにそう言うと、ボルトの乗る馬車へと向かっていった

コンコンコン

ベル「開けるよ」

返事を待たずに扉を開け、中へ入った

ボルト「返事を聞いてから入れ」

ベル「まぁいいじゃん。それより報告」

ボルト「今はそうだな。何があった?」

ベル「大規模な盗賊に待ち伏せされて襲われたよ」

ボルト「そうか。初日に捉えた盗賊との関連性は?」

ベル「今回のはそれとは別で、行きの途中で見られて待ち伏せされた感じ」

ボルト「なるほどな。で、今どの辺だ?」

ベル「もう少しでマーベルドの王都が見えるくらいの場所」

ボルト「マジかよ。せめてドルナード国内だったら、あっちに押し付けられたのに…」

場所を聞いて、ボルトは心底面倒そうに悪態をついた

ベル「目の前にいるのに、それ言うかね」

ボルト「盗賊ほど面倒な奴らはいないからな。帝王様に引き取ってもらえたら、こっちは楽だったのによ」

ボルトはわざとらしく肩をすくめながら言った

ベル「はいはい、悪かったね」

言葉とは裏腹に、面倒事を押し付けられなかったことを残念がるように、楽しげな笑みを浮かべていた

ボルト「まぁいい。結構暴れたみたいだが、どんな奴だったんだ?」

ベル「さぁ?空力操作とか、空間操作とか、あとはソウルドラゴン召喚したりする変なやつ」

ボルト「結構やばいやつだったんだな」

ベル「もし俺が関わってなければ負けてただろうね」

ボルト「だろうな。ソウルドラゴンとか空間操作とかされた日にゃ、普通なら勝てるわけない」

ベル「まぁ倒せたから問題なし」

ボルト「相手も運が悪かったな、お前がいなけりゃ勝てたのに」

ベル「運がなかったってことで……じゃあ報告もしたし戻るね」

ボルト「わかった、捕らえた盗賊は着いたらこっちの騎士に引き渡してくれ」

ベル「了解、また後で」

そう言ってボルトの元を離れた

ベル「あ、忘れてた」

『帰ってこい』

ベルがそう呟くとすぐに、ソウルドラゴンを倒すために投げたインフィリネーハが空の彼方から戻ってきた

ベル「はい、おかえり」

『形状変化、指輪』

インフィリネーハが空中で一瞬輝き、そのまま杖の形状から普段の指輪に変わった。

それからしばらく生徒たちが落ち着くのを待ち、全員が平静を取り戻したのを確認して、出発の準備を整えた

その後は、まるで先程のトラブルが嘘だったかのように、平和な時間が流れ、無事にマーベルド王国の王都に到着。

そのまま学園へと向かうこととなった

システィーナ「みんな、お疲れ様!帰りはトラブルもあったけど、無事に帰ってこれて本当によかったわ」

学園に到着し、全員が自分の荷物を持ちながら1箇所に集まっていた

システィーナ「本来ならここで何人かに感想を聞きたかったんだけど、トラブルのせいで時間が無いから、明日の朝に感想を書いて提出する時間を用意するわ。詳しいことは明日担任から説明があるから、それまで待っててね」

本来なら帰る時間は約18時だったが、トラブルの影響で現在時刻は約21時になっていた

システィーナ「最後に国王様からお話を伺って解散しましょう。国王様、お願いします」

ボルト「わかった。みんなお疲れ様、途中トラブルもあったが無事に帰ってこれてよかった。明日も学園はあるけど、変更がなければ午前で終わるから、しっかり休んでな。俺からは以上だ」

システィーナ「ありがとうございます。それでは、先生方と冒険者の皆さんは少し残ってください。生徒の皆さんは解散です!お疲れ様でした!」

その言葉と共に、職業体験の全ての工程が無事に終了した

その後、生徒たちが帰るための馬車に並びながら、ベルを含む先生たちと冒険者チームは話を進めていた

システィーナ「職業体験お疲れ様でした」

先生たち「お疲れ様でした」

冒険者チーム「お疲れ様でした」

システィーナに続いて全員が声を合わせて言い合った

システィーナ「トラブルの際は本当にありがとうございました」

システィーナは冒険者チームに向かって深々と頭を下げた

ハクア「代表して、私たちは学園に雇われた身なので、やるべきことをやったまでです」

システィーナ「それでも生徒たちが皆無事でいられたのは冒険者の方々のおかげですので」

ハクア「確かにそうかもしれませんが、一番活躍したのはこの子ですよ?」

そう言ってハクアはベルの頭を撫でていた

システィーナ「それもそうですね、ご褒美に可愛がってあげてください」

ハクア「よしよし、よく頑張ったね!」

ベル「やめてください」

システィーナの冗談に、ハクアがノリノリで答え、ベルは特に反応することなく、されるがままにされていた

クルム「そんなことより、この子は一体何者なんですか?Sランクパーティー相手に平気で指揮を取り、おまけに白い半透明のヤバそうなドラゴンを倒すなんて…説明してください」

ヒョウガ「それは俺らも気になってました」

ベルの行動や戦いを見て、残りの2つの冒険者パーティーが疑問に思っていたようだ

システィーナ「どこまで話していいの?」

ベル「結界だけ張るね」

『防音結界』

先生と冒険者チームを囲うようにして、防音の結界が張られた

ベル「結構気になってるみたいだし、職業体験も終わったから、全部話していいよ」

システィーナ「いいの?」

ベル「うん、これからは生徒たちに関わることも少ないと思うしさ。もちろん、今から聞くことは他言無用ってことで」

システィーナ「わかったわ。そういうことなので、今からお教えすることは誰にも話さないようにしてください。いいですね?」

クルム「わかりました」

ヒョウガ「わかりました」

システィーナ「この子、ベルドくんは世界で唯一のSSSランク冒険者であり、先程までいたドルナード帝国の帝王様でもあります」

冒険者一同「……え?」

一瞬、誰もが耳を疑ったように固まった。

しかし、それが事実であると理解した途端、冒険者たちは驚愕の表情を浮かべる

クルム「ええ!? SSSランク!? しかも帝王!? 嘘だろ!?」

ヒョウガ「信じられねぇ……」

ベルが只者ではないことは分かっていたが、まさかそこまでの存在だとは思いもよらず、動揺を隠せない様子だった

ヒョウガ「じゃああれか? 俺たちはそんなヤバいやつを、ただの偉そうなガキだって思ってたってことか?」

ハクア「まぁ、そうだろうね。最初からその事実は変わらないわけだし」

クルム「それ知った今でも態度は変わらないんだな」

ヒョウガ「そりゃそうだろ。帝王だろうが何だろうが、パッと見は偉そうなガキには変わりねぇからな」

ベル「……なんか褒められてる気がしないんだけど?」

ヒョウガ「そりゃ褒めてねぇからな」

そんなやり取りに場の空気が少し和らいでいた

ベル「まぁ俺がどんな存在だろうと今まで通りでいいから……あ、戻ってきた。俺はあっちでちょっと話してるから、決まったことがあれば後で教えて」

そう言って、ベルは捕らえた盗賊を引き渡して戻ってきた騎士チームの元へと向かった

冒険者たちはそんなベルの背中を見送りながら、まだ信じられないような表情を浮かべていた

ベル「ありがとう、どうだった?」

騎士「捕らえた盗賊のリーダーや他の連中から事情を聞いて、どうしてこんなに大きな盗賊グループになったのかを調べるそうです。リーダーの正体についても探るとか。もし何かあれば、ベルド様にも協力をお願いすることになるかもしれないとの事です」

ベル「そっか、初日同様今日もありがとう。この後は王都にある俺の屋敷からドルナードの城へ戻ってね。連絡は入れておくから入れてくれるよ。明日の朝、みんなのお楽しみのボーナスを支給するから、誰が貰えて誰が貰えないのかドキドキしながら休んでくれ」

騎士「わかりました!それでは失礼致します」

騎士チームの全員が同時に軽く頭を下げると、背筋を伸ばしたまま堂々とした足取りで帰路についた

ベルは騎士チームを見送ったあと、先生と冒険者たちが集まる場所へと戻った

ベル「ただいまっと。何か決まった?」

システィーナ「さっき話してた感想の提出についてだけよ。ベルドくんには関係ないわね」

ベル「そっか、なら担任じゃない俺には関係ないね」

システィーナ「そういうこと」

そんなことを話していると

ハクア「最後に1つだけ聞いていい?」

ベル「どうしたの?」

ハクア「ベルって男の子なの?それとも女の子なの?」

ベル「ここまで来てそれですか」

ハクア「だって気になるじゃん!私たちはベルを女の子だと思って接してたのに、先生方や生徒もみんなベルドくんとかベルくんって呼ぶし、ベルも自分のことを俺って言ってたからずっと気になってたのよ」

ベル「あぁ……まあ、白銀の吹雪のメンバー全員が俺を女の子だと思って接してたから、わざと女の子っぽくしてたよ。でも、普通に男だよ」

今まで秘密にしていたことが嘘のように、何のためらいもなく答えた

ハクア「ベルは男の子だったのね、それなら接し方を変えないといけないわね」

ベル「コホン…別にあなた達ならそのままで構わないわよ?」

そう言いながら、あえて声を可愛らしい女の子の声に変えて、相手の反応を楽しんでいるようだった

ハクア「それもそうね、見た目も女の子にしか見えないし、今までどおりやらせてもらうわ」

ベル(ちぇ……面白くないの)

「わかりました」

ハクア「私はもう大丈夫です」

システィーナ「わかりました、それでは明日、ギルドに依頼の達成書を提出しますので、その後、報酬金とトラブル対応の謝礼金を受け取ってください」

ハクア「わかりました」

クルム「了解しました」

ヒョウガ「わかりました」

システィーナ「はい、それではこれにて職業体験は終了です。改めてお疲れ様でした」

その合図とともに、集まっていた先生たちと冒険者チームはそれぞれ解散した

ベル(俺も帰るか…)

『転移』

誰にも見られていないことを確認し、屋敷へと転移した

{テレスたちは既にそれぞれ帰っているよ}

前に言っていた通り、次回の561話からセリフ前の名前がなくなります

急な変更で読みにくく感じるかもしれませんが、どうかご了承ください