565話 南門で聞き込み
565話 南門で聞き込み
ベルはドルナードへ転移し、南外壁門へやってきた
(マーベルドから東へ道なりにまっすぐ進めばドルナードに着く。もし途中で曲がっていなければ、この門を確実に通っているはず)
南門に来ると、夕方の混みやすい時間帯だったため、門はかなり混雑していた。ベルは少しの間、大人しく待っていた
少し時間が経ち、人が少なくなったタイミングで、ベルは門番のもとへ向かった
「今、大丈夫?」
「…あ、はい。ベル様、どうかされましたか?」
「ちょっと聞きたいことがあって。この絵の子と同じ髪色の女性、見かけなかった? マーベルドから東へ向かったって情報があって、探してるんだ」
「人探しですか。それなら、どうぞ中へお入りください」
「別に、ここでいいんだけど?」
「いえいえ。ベル様を外で立たせるわけにはいきませんので」
「も〜、わかったよ」
その返事を聞いた騎士は、「相変わらずだな」とでも言いたげに笑いながら、横の扉からベルを中へ招き入れた
中へ案内され、椅子を勧められたベルは、そのまま素直に腰を下ろした
「もう一度、先ほどの絵を見せていただけますか?」
「いいよ、はい」
「ありがとうございます」
騎士は写真を受け取り、じっくりと目を通した
「すみません、僕は見た記憶がありません。この髪の色の方は珍しいので、見かけていれば覚えていると思うのですが……僕が担当している時間には見ていないと思います」
「そっか…」
ベルはわずかに表情を曇らせながら返事をした
「……この写真、少しお借りしてもよろしいですか?」
「いいよ?」
「ありがとうございます。他の時間帯を担当している者にも確認してまいります」
そう言って、写真を手にした騎士は同僚のもとへと足早に向かっていった
それから待つこと数分、先程の騎士が戻ってきた
「担当の者全員に聞いてみましたが、全員見ていないようです。お力になれず、申し訳ありません」
そう言いながら、とても申し訳なさそうに深々と頭を下げていた
「大丈夫だって。そもそも俺が“東かも”ってだけで来ただけだから、気にしないで。ここに来るまでに分かれ道も多いし、実際に来てる可能性の方が低いんだしさ」
「はい。もし見かけたら、すぐにベル様へ報告いたします」
「うん、お願いね」
そう言って、ベルは南外壁門受付を後にした
(ここじゃないとなると、分かれ道のどこかか……選択肢が多いね)
《1つ、よろしいですか?》
《ピクシー、どうしたの?》
《1つ可能性があるのですが》
《どんな?》
《可能性というのは、昨日捕まえた盗賊に襲われた可能性です》
《あっ……確かに、ありえるね》
《はい。盗賊は19日の火曜日に職験体験へ向かう馬車の集団を見つけ、その後帰ってくるのを見越して同じ場所で待機していました。そして、レストくんのお母さんが通りかかったとき、金になるから、あるいは女性だからと襲った可能性が高いです》
「チッ……」
《とりあえず可能性は先に潰そうか、その盗賊の元へ行ってみよう》
《それがいいかと。もしそうなら、早急に対応しないと取り返しのつかないことになる可能性もあります》
その言葉を聞いたベルはすぐにマーベルドへ戻り、例の盗賊が捕まっている場所へ向かった