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623話 地獄の時間へ

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623話 地獄の時間へ

お知らせ通り、今日から8日まで毎日投稿なので、よろしくお願いします

アリアの下校を見届けたあと、ベルは朝に交わした約束の時間まで、こっそりと彼女を見守りながら待っていた

学園から戻ったアリアが、お茶会の準備を進めているのを、ベルは隠密を使って近くで静かに見守っている。

やがて約束の時間が近づき、ベルはそっと隠密を解除して、その場を離れようとした――

その時だった

「ちょっとベル! まさかその格好でお茶会に参加するつもり?」

アリアに、あっさり見つかってしまった

「そのつもりですけど」

ベルが着ているのは、いつもの黒い服、昨日は白だったため、今日は黒にしていた

「私だけなら別にいいけど、今日は他の子も呼んでるのよ。もっとちゃんとした服に着替えなさい」

「これしかありません」

「はぁ……ちょっと来なさい」

「え?」

アリアに手を引かれ、ベルはそのままどこかへ連れて行かれた

「ちょ、ちょっと待ってください!」

「どうしたの?」

アリアが目の前の扉を開けようとした、その時

ベルは慌てて立ち止まった

「“ドレスルーム”って書いてあるんですけど……」

「そりゃそうでしょ。あなたのために、ドレスを見繕ってあげるんだから」

「……遠慮します」

そう言って来た道へ引き返そうとしたベルだったが――

その腕は、しっかりとアリアに掴まれていた

「これでも学園で一番なのよ? 力勝負で逃げられると思わないことね」

(本気を出せば俺の方が強いけど……抵抗したら怪しまれる)

「離してください! 私はこの場から逃げます!」

「嫌よ! あなたには可愛いお洋服でお茶会に参加してもらうの! 可愛らしい“新しいお友達”を紹介するのに、そんな格好じゃ自慢できないじゃない!」

「そんなの、私には関係ありません! ドレスを着るくらいなら、参加しません!」

「何が嫌なのよ! ベルは可愛い顔してるのに、そんな服着てたら勿体ないじゃない!」

「嫌なものは嫌なんです!」

「なら説明してちょうだい。どうしてドレスを着たくないのか」

そんなふうに言い争っていると、ついにアリアに事情を聞かれてしまった

「……私には、フリフリしたドレスなんて似合いませんから」

《どこがですか、世界一似合うくせに何言ってるんですか?》

ベルの言葉に、ピクシーがすかさずツッコミを入れるが、見事にスルーされていた

「どこがよ。ベル、あなたはすっごく可愛いのよ。カールン王国第一王女が断言してあげるわ。私の知ってる貴族令嬢の中で、一番可愛いわよ。私よりも、マーベルドの第一王女・アマリアさんよりもね」

「そんなこと言われても、私は逃げます!」

そう言いながら、アリアに掴まれた手を振りほどこうと、必死に引っ張った

「観念なさい! 行くわよ!」

「や、やめてください!」

アリアはベルの抵抗をものともせず、そのままドレスルームへと引っ張っていった