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689話 模擬戦のチーム決め

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689話 模擬戦のチーム決め

ベルが体操着へと着替えてから少しして、3限目の授業が始まった

「よし、それじゃあ授業を始めるぞ。今日は3年のお前らを中心に、5人くらいのチームを作ってもらう」

軽く間を置いて、教師は訓練場を見渡した

「そこに5年以上の生徒を、1チームにつき1人か2人加える形で模擬戦をする。上級生には戦略の立て方や、どのタイミングで何をするべきか、その辺を教えてもらえ」

教師が上級生たちへとちらりと視線を向けると、何人かが「任せろ」と言わんばかりに自信満々で胸を張っていた

「ふっ……実戦形式ではあるが、安全面は守護魔法でしっかり確保されている。遠慮せず、しっかり学んでいけ」

この形式の授業はごく稀にしか行われないため、3年生たちはどこか物珍しそうにしていた

「3年チームは好きに決めろ。最大5人、最低3人な」

教師はそこで一度言葉を区切り、続ける

「んで、5年以上のやつは、そのチームの戦力を見て俺たち教師側で配置を決める。だから5年以上のやつはこっちに集まれ。3年チームはその間にチーム決めをしとけ」

教師の合図とともに、上級生たちは前方に並ぶ3人の教師のもとへ集まっていった

一方で3年生たちは顔を見合わせ、自然と仲のいい者同士で固まり始める

訓練所のあちこちで小さな相談が始まり、少しずつチームが出来上がっていった

そんな中、アリアのもとへ1人の少女が近づいてくる

「アリア、私も入れて?」

「ん? いいけど、私たちでいいの?」

「うん。アリアのチームにはベルもいるんでしょ?」

「そうね」

「ならアリアのチームに入るわ。ベルの敵にはなりたくないし」

「それは言えてるわね。あと2人だけど、誰か誘いたい子いる?」

アリアが周囲を軽く見回しながらそう尋ねると、少女は少し考えるようにして答えた

「誰でもいいんじゃない? どうせ私たちが誘ったら、断る人いないでしょ」

「それもそうね。ベルは誰がいいとかある?」

「聞かないでくださいよ、誰も知り合いいないんですから」

「それもそっか。じゃあアマリアが1人決めて、私が1人って感じで」

「了解」

そう答えると、アマリアは少しだけ離れた場所へ歩いていき

「私とチーム組みたい人!」

と、はっきりした声を上げた

一方でアリアは周囲を見回し

「こっちは……いたいた。ミンちゃん、一緒に組んでくれない?」

「私でいいの?」

アリアが話しかけると、ミンちゃんと呼ばれた女の子は不思議そうに首を傾げた

「うん。ベルの実力、気になってたでしょ?」

「……あ、その子って例の黒の子?」

「そうよ。どうする? 一緒に組んでくれたら、近くで見放題だよ?」

「やったね! なら一緒に組も!」

アリアも1人チームに引き入れると、そのままアマリアのもとへ合流した

「アマリア、そっちはどう? こっちはミンちゃん捕まえた」

「私はね、ケンちゃん捕まえたよ」

「ケン……ちゃん?」

突然ちゃん付けで呼ばれたことに、アマリアが連れてきた少年は戸惑ったように首を傾げていた

「アリアがミンちゃんって言ってたから、それに合わせてケンちゃん。嫌だった?」

「別にいいけど、びっくりする」

「それもそうだよね。ベル、この子はケンヤンくん。略してケンちゃんね」

「えっと、こんにちは」

アマリアのふざけた紹介に苦笑しつつ、初対面のベルを前に、少し困ったような笑顔でそう言った

「あ、この子はミンちゃん。ミンレイスって名前だからミンちゃんね」

「ミンちゃんだよ〜。アリアがそう呼び始めて、今じゃみんなにミンちゃんって呼ばれてるけどね」

そう言って、ミンちゃんは笑顔でベルに向かって手を振っていた

「よろしくお願いします」

ベルはアリアとアマリアの方も含めるように、軽く頭を下げた

「んでこの子はベル。なんかよくわからないけどベルよ」

「何それ〜?」

「なんかよくわからないってなんですか」

「自分のことあんまり話したがらないの。不思議な子。でも悪い子じゃないから、仲良くしてね」

「可愛いからなんでもいいや、仲良くしてね〜」

「よろしく」

ミンちゃんはフレンドリーに距離を詰めるように、ケンちゃんは様子を見るように少し控えめな立ち位置で、チームへと加わった