LNCrawler

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『罪と囚シリーズ』-螺旋の刺 — fujossy.jp · All chapters

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ー下界空は、稲光を放つ。ゴロゴロと、暗雲の中を凄まじい数の、雷が滞っている。男はまた、にたりと嗤う。「悪戯には、ピッタリな雨だ」そう、呟いた瞬間に、ザァザァと音を変えていった。「ー…お出ましか」暗雲の隙間から白き羽根を、広げた兵士天使を視界に捉えた。兵士天使は、直ぐ様に分かれていく。今回の指示を出した者は相当、頭の回転が早いらしい。隙すらない的確な指示をしている。散らばった下級魔族を一匹残らず、死滅させる手段だろうか、兵士天使達が一気に急降下していった。「ミカエル、ラファエルでもない」これまで、兵士天使に指示を出しているのは大方、七大天使の長を努めているミカエルか牙を剥き出しのラファエル。後は、サキエルぐらいだと頭で反芻する。だとしたら、逢っていない大天使だと把握出来た。何故なら、男は既にミカエル達の戦闘方法を見切っていたからだ。「貴方が、あの下級悪魔達に指示を出しているものですか…」「…」ひらひらと白き羽根が辺りを包み込む。柔らかなソプラノボイス、雨に打たれながらも、煌めく髪。白い制服は、華奢な体躯を強調している上に妙な色気を感じさせる。視線を顔に向ければ、綺麗なエメラルド色の双眸が真っ直ぐと男を見ていた。「ゼウダー卿…」名を知っている事に少々、驚きながらも彼は微笑を湛えた。「我の名を知っているのか。七大天使の一人だな」「これは失礼致しました。私の名は、ウリエルと申します。以後、お見知りおきを…」ゼウダーが名を聞くと、ウリエルは律儀にお辞儀をした。その、行動は益々、彼を驚かせる。今までの大天使達はウリエルみたいな挨拶は無かった。肘を付き、彼は次なる曲を自分から奏でてみたくなった。目の前に佇む男が真摯な眼差しを向けているせいだろう。演目は、此方のペースに持ち込むなら淫らな情景を描く。