3-19
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ここまでくれば、ミカエルの鈍感さは、天下一品かも知れない。真剣な表情をしている男の顔を見れば唖然とさせられている。居た堪れない様子だが、流石に、濡れっぱなしは、風邪を引いてしまう。何処で、助け船を出してやるべきか、ちらりと、城のバルコニーへと、視線を向けた。見ているんだろう?ウリエル。熱い仲は程遠そうな二人に、揉まれてみるのは御免だが、やはり、同朋が風邪を引くのは引ける。でなければ、傘を渡したりして、迎えを頼んだりはしないだろう。「其処の二人!雨にも滴る男を見せているつもり?」「サリエル…」「大体、タイミング良すぎないか?」「そうかなぁ。僕は、風邪を引くんじゃないかと思って、迎えに来たんだけど、邪魔だったかな?」つかさず、傘を出す彼は、ニッコリ微笑んだ。少々、不満そうなルシファーは、相手を見つめながら受け取る。だって、渡すタイミングズレたんだよ。迎えに来たのは、本当だけど。顰め面しながらサリエルの科白を聞いた彼は、傘を開いた。「別に、邪魔ではない。確かに、このままだと風邪を引いてしまうな」「それにしても、ミカエル」「はい…」こいゆう時、どんな言葉を掛けて良いものか解らない。だが、サリエルなりの優しさなのだろう。嘘偽りなく、本当に喪を付くしている者の一人として、喪主に。「…お母様が、亡くなった事、お悔やみ申すよ」たった一言、呟いた。こんな幼き太陽に、運命は悪戯をなさる。肉親を失う悲しさは、誰もが背負って上げられる訳じゃない。少し、悲しそうな表情をした彼は、もう一つの傘を渡した。雨に濡れた髪が、若干、オレンジぽっく見えるのは、情緒に関係してなのか、曇空なのに、煌めいている。「有難う。明日になったら、ちゃんと、仕事に戻るよ…」「君の仕事は、先ず、英気を養う事だと思うけど。じゃなきゃ、ウリエルに言われるよ」強ち、間違っていないので訂正しない彼は、来た道を戻って行った。